本書は3部構成だ。最初に、Q&A方式で基本固めを行い、次に簡単なケース・スタディで理解を深め、最後には各種資料が参考として添付されている。
DCF法で債権を評価するとき、「キャッシュフローを一定にして割引率を変動させる」方法と「割引率を一定にしてキャッシュフローにいくつかのシナリオを設定(期待キャッシュフロー)する」方法がある。破綻懸念以下の債権評価では前者で行うケースが多いが、要注意・要管理では後者が選択されるケースが多いだろう。国際会計基準でも基本的に後者である。本書のケース・スタディも後者を例にとっている。なかなか理解しやすくうまくまとまっていると思う。