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忘却の整理学

価格: ¥1,260
カテゴリ: 単行本
ブランド: 筑摩書房
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既製品の学校教育的勉強から思考の世界へ ★★★★★
 同じ著者の『思考の整理学』の続編との位置付けの一冊です。
 忘れること・忘却を中心に据えた立論となっているが、『思考の整理学』の同部分を深めた内容となっている。
 『思考の整理学』から約30年を経て著者の加齢もあるのだろうが、時間の経過の効用と思考のリズム、そして無理をしない思考が浮かび上がっている。
 二冊の連続性と相違点に着目して読み比べてみるのも一興と思う。
忘却だけをクローズアップする論調はどうかと・・・ ★★☆☆☆
忘れっぽくても良い頭は良い頭。日頃忘れっぽい事を気にしていた自分が、本書を手に取ってみて冒頭のこの文が非常に興味をそそった。教育現場や高齢化社会で悪者扱いされてきた「忘却」が肯定されている本として一読の価値がある。

著者は、息を吐き出さないと新しい空気は吸えない様に、忘却によって整理され、きれいに片付いた頭なら新しい知識や情報などをよりよく取り入れられるので、考えをまとめたい時は積極的に忘れろと説く。推敲の前に文章をしばらく寝かせたり、考えが煮詰まった際に気分転換すると思いもよらぬ着想が得られたりする事は、忘却による効果であると。頭の中で何が起こっているかと言うと、忘却が知識を選択的に頭の中に残して熟成させ、時の風化作用で別次元の高みに体系化する働きがあるということである。

しかし、近年メディア露出の多い脳科学分野では数々の脳の複雑な働きが紹介されているが、その何れの引用も無く「忘却」だけが脳の創造活動に独りで貢献しているかの様な論調はいかがなものかと思う。また、人は故意に選択的忘却をする事はできず、忘却はランダムに起こる。それが個性を形作るのに貢献しているという説には納得が行くが、創造活動の方は意思を持っている筈で選択的忘却ではなく、選択的・体系的記憶の方が勝るのではと思う。創造活動の中で選択的に頭の中で体系図を作りながらその都度記憶しようとする努力をするからこそ、そうやって頭に入れた知識は忘却という風雨に耐え、頭に残るのではないだろうか。そういう意味では、記憶が淘汰されるという表現の方が適切かも知れない。

本全体に、筆者の推論なのか引用なのか、はたまた事実なのか曖昧な表現が多く、論証的な側面が弱い文体だと感じたが、読み物としては十分楽しめる内容である。
記憶と忘却の両輪で人間は成長する。 ★★★★☆
思考の整理学が非常に面白かった記憶がある。同じ外山さんの書籍だったので迷わず購入通読
通読してみると、忘却の本当の価値を様々な角度から見つめて分析してくれている。面白かったのは、記憶と忘却は知的活動の両輪で生成物を浄化させ、入力、出力を活発に行うことで充実した思考が導かれる。などは非常に面白い。記憶の能力はコンピューターにはかなわない、しかし、忘却の能力はコンピューターにないという指摘。確かにそのとおりだと思う。そして忘却により精査された記憶が個性となり、コンピューターにはもちえないインセンティブ、個性と創造力を人間に与えているというのは面白かった。頭の中で起こっている活動(創造、忘却、思考、記憶)などがどのような関連になっているかを的確に指摘してくれている。
焼き直し ★☆☆☆☆
思考の整理学が素晴らしかったので思わず購入。


思考の整理学から約30年。
続編ということで発刊。

思考の整理学で述べていたことの中から、
特に記憶と忘却というところに焦点を置いた作品。

思考の整理学を読んでいれば改めて読むまでも無いのかなというのが素直な印象。

それこそ思考の整理学を読み、時の風化作用を経た後に
この作品を読んでいれば、また印象は違ったのかもしれない。

面白い本なのは間違いないですが、思考の整理学との差でこの評価です。
「ビジネス書」ではなく「エッセイ」。 ★★★☆☆
 「思考の整理学」の著者、外山滋比古による忘却に関するエッセイ集。

 「思考の整理学」が創造的な生業のためのテクニック・考え方を紹介した本であるのに対し、「忘却の整理学」は、日常生活や創造的な生業における『忘却』の重要性をさまざまな角度から述べた本といえる。

 印象的だったのが「忘れることを恐れるべからず」というスタンスよりも「忘れるべし」というスタンスだったこと。それにより新しい知識・新鮮な知識を意識的に取り入れ、いわゆる「悪玉の記憶」が脳内に蓄積されてメタボリックになってしまうことを防ぐとのこと。

 ただ、忘却の重要性については序盤でかなりビシッと述べられていて、後はそれを言い換えたり、別の角度から「忘却は大事なんだよ」ということを述べているような流れだったので、少し単調で退屈だった。