多情のヴァリエーション
★★★★★
混乱が芸術を生むとオットー・ランクは語ったという
勘三郎はいい人だが浮気癖は続く 井上靖には4回中絶させた愛人がいた
バルザックは人妻に自分の子を産ませたらしい
ピカソの女性遍歴も激しかった
バタイユの侵犯 バフチンのカーニバル アナイス・二ンの全方位的な魂
緊張や深淵や飛躍や多義性もまた世界の中心にあるため統治 創造 叩き上げに
つきまとうのだ 三島由紀夫は嫉妬は自分が負けると思うときに起きるとか
ダイヤモンドと清純派少女の話などを書いているが どうもこの問題について
逃げているようだ アナイス・二ンは三島が明晰な領域において漠然である
「創造と複数の愛」についてさらなる研究が進むことを期待したい
本書は総花的人生観 批評 旅行記を収録している
対象の魅力をより強調する文体の本領が発揮されている