著者によると、東京工業品取引所は商品先物の出来高で世界の取引所の中では第3位、中部商品取引所は同6位になっている。さらにガソリン・灯油に関しては上場後わずか2年あまりでその出来高合計シェアは2001年の1年で日本の商品先物市場の42.53%にも達するという。
本書はそのガソリン・灯油先物取引について、著者の個人的視点を交えながら、当該市場をファンダメンタルズ、テクニカル両面から観察し、有効と思われる手法例を検証・紹介する形をとっている。100問100答のわかりやすい形式となっており、パート1「基礎知識編」では、商品ベーシック、業界ベーシックについて解説。パート2「マーケット、需給分析編」ではファンダメンタルズを中心に解説されている。パート3「トレード実践編」では、テクニカル分析を中心とした解析がなされており、最後のパート4「マクロ編」では、マクロの長期的視点が解説されている。
本書のような特定の商品先物に関するトレード解説書は少ないため、個人投資家には貴重な1冊である。(木村昭二)
本書で紹介されている取引手法は、そのまま試すのもよし、自分なりにアイデアを加えて新たな手法の構築のためのアイデアにするもよし。「勝つ」ために役立つこと請け合いである。