これって全部ホントの話?っていう面白さ、しかも役に立つ!
★★★★★
とても面白い本です。
マグロ漁師との会話が主体で、読みやすく、分かりやすい。
会社人生のみならず、人生のすべてで役に立つ知恵ばかりです。
いかにストレスをためずに、人と接してゆくか?
ものごとをトラブルなく進めるにはどうしたらよいのか?
もし、うまくいかなかったときには、どう考えればいいのか?
などなど・・・
マグロ漁船の漁師たちと筆者との会話から、日常を上手に乗り切る知恵が、次から次へと紹介されます。
「これって全部ホントの話なの?つくってるんじゃないの〜?」と思ってしまうほど、面白くて役立つ話が満載です。
筆者は、マグロ漁船を『9人だけの、20mしかない、逃げ場のない空間』と書いていますが、人生は逃げ場のない空間だらけです。
普通のオフィスでも、学校でも、家庭(2世帯同居などは特に)でも、趣味の集まりでも、たいていはいつも決まり切った少人数のコミュニティです。
しかも、簡単に絶ちきることのできないしがらみばかり。
この本には、人生を上手に生きる知恵が満載。
しかも、自分さえよければという考えではなく、全員が良好な関係でいられることを目標としています。
この点が、本書に好感が持てる理由のひとつです。
マグロ漁船という究極の空間では、対人関係を円滑にする知恵も豊漁のようです。
新社会人にはぜひ読んで欲しい
★★★★☆
ありきたりなコンサルの本ではなく、実体験のマグロ漁船を舞台に話が展開していくので、とても理解しやすいです。
話の内容もさておき、エイの口の写真など、当時撮影したであろう写真も複数掲載しているので、とても面白い。
会社に入って悩んでいる新入社員の皆様には、ぜひ一度読んでもらえるととても参考になると思います。ああ、巻末の漁師の言葉で人のアドバイスは聞いても仕方ないというフレーズがあったので、この辺で。
生き様に学ぶ
★★★★★
病気持ちでひ弱な著者が、業務命令でマグロ船に乗り、そこから学んだことをまとめた本。
マグロ船に1ヶ月以上も乗ることなど、普通の人には体験できない。しかし、その体験できないことを本は教えてくれる。
1ヶ月も船上にいるだけでも大変だろうに、文章からは悲壮さはあまり伝わってこない。この著者の元々の性格か、それともマグロ船の雰囲気のなせる業か、文章はユーモラスで読みやすい。
人生に逆境は多い。その逆境で何を学べるか、もしくは何も学べないままで終わるかで、人生は決まるのかもしれない。岩崎弥太郎は、投獄された牢でたまたま一緒になった商人から算術や商法を学んだことから、後の三菱財閥を築き上げた。
悪運が強い人というのは、どん底にあってもそこから何かを持ち帰られる人のことである。この著者にもマグロ船の船員たちにも、その生き様に学ぶところは大きい。
「会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学」ぶことはできる。しかし、その知恵を体得しているマグロ船員がもしも会社に入ったとしても、サラリーマンとして成功できるかどうかは難しい。マグロ船で学べる知恵は、会社人生で成功するための必要条件であって十分条件ではない。
ただ、マグロ船で学ぶことができるのは知恵だけではない。知恵を超えた生き様、そこにこそ学ぶべきものがある。
面白い! だけど、なんと希薄な会社人生か。
★★★☆☆
面白い!
いわゆるマグロ船は、マイナスのイメージしか世間に持たれていない。粗暴で荒くれ者、
一攫千金を狙うギャンブラー、過酷な強制労働などなど。本書はそれらのイメージを一掃
してくれる。マグロ船の漁師は、なんと誠実で尊いのだろう。新たな漁師像と、海や漁師
達とのコミュニケーションを通じて著者が感じたことは、ページをめくる指を軽くさせる。
けれども、40日ほどのマグロ船体験で得た知恵で、会社人生で必要な知恵は全て得たとい
うのには首をかしげる。本当にすべて得たというのであれば、なんと希薄な会社人生か。
著者は、与えられた食事を食べて、船酔いで吐いて、漁師と会話しただけである。
確かに過酷な状況だっただろう。だが、「すべて学んだ」などどマグロ船を極めたような口ぶりを、
必死に縄を巻き上げている漁師の隣で言えるのだろうか。
「会社員のマグロ船体験記」として、世間一般のマグロ船イメージを覆す読み物を楽しみたい
人にお勧めする。コミュニケーションについて参考になる点はあるが、会社人生で必要な
すべての知恵が手にはいるわけではない。
マグロ漁船には人生の格言がいっぱい!
★★★★★
船長や親方の言葉の一つ一つが心に響く一冊でした。