１枚目・２枚目の、スケールが大きく、
かつ安定した歌唱から一転。
音程が不安定で、荒れた歌声になっています。

作詞・作曲・編曲とも全てTKですが、
シングル曲here we are以外は、
あまり気合の感じられない軽い楽曲。
そして、彼女に歌わせるには酷な、
別れを感じさせる詞が並びます。

しかし不思議と、１枚目・２枚目よりも、
詞が、聴く者の心に響いてきます。
地味な楽曲が、かえって彼女の歌唱を
引き立てているのかもしれません。
winding roadやwaiting for your smile
は特に秀逸です。

I'm proudの詞にある
「壊れそうで崩れそうな情熱」。
それがこのアルバムでは見事に表現されています。
彼女の狂気ともいえる才能に、気づかされる一枚です。

先行シングル「daily news」からしてイヤな予感はしてましたが予想は的中。楽曲はわざと売れ線を外したような地味な曲ばかり。しかも嫌がらせかと思うほど失恋ソングが並んでます。このアルバムが出たころはすでに２人は別れていて小室も案の定、真面目にプロデュースする気などなかったようです。やたら歌が下手なのも意図的？こんなものを世に出してしまうほど当時の小室哲哉には余裕があったのですね。そんな小室氏とは裏腹に彼女はまだ小室にぞっこんでした。それを考えてこれを聴くととても複雑な気持ちになります。もう愛情がないならもて遊ぶような真似はやめて完全に彼女から手を引くべきでした。

　不安定な音程と破綻した詞で、朋ちゃんの未来を予言するような駄作です。壊れた曲と共に朋ちゃんの精神まで崩壊してしまったのではないかと思ってしまいます。 ラブラブな『LOVE BRACE』→愛が冷めかけた『storytelling』→この『nine cubes』で朋ちゃんと小室哲哉さんの仲は完全に崩壊してしまったのでしょうか?小室さんの愛情が全く感じられません。

最初の2作品と違い、小室哲哉のやる気が無く、あえてアバンギャルドな方向に進んだ一枚。でも実は小室自身はアレンジに関与してないのでは?と感じた「引いた」曲もあり、不思議な空気が漂う。朋ちゃんの歌も凄味があり、最後の「Waiting〜」ではあきらかに「時代の終わり」を感じさせる。ある意味迷作。ただ、「tumblin」はシングルでは狂いまくっていた音程が歌い直しで普通になってるのは逆にイマイチ。

全てが「華原朋美」の伝説のエピソードのひとつであるとすれば☆5です。
十分にテイクを重ねず、１発取りでもしたかの未完成な不安定なボーカルで何故発表されてしまったのだろう、何故この歌詞を与えられねばならなかったのだろうと、音楽を鑑賞するだけの傍観者でいられない気持ちにさせられてしまう。