拙劣なホーン楽器は余計
★☆☆☆☆
期待して聴いてみましたが,寺島氏は,わざわざこんな下手なトランペッターを捜し出して来て,結果としてインタープレイが成立せず,CDとして非常に完成度が低いと思います.要するにLee MorganやKenny Dorhamと比較すると,大人と赤子程の差異がある訳です.他の作品でも言えることですが,ホーンやボーカルを入れず,純粋な松尾明トリオが聴きたいのです.寺島氏の新人好みには困りもので,今後寺島氏へのお願いとして,下手な新人ホーン奏者を加えず,純粋な松尾明トリオのみレリースして下さい.
寺島レコード初の2管編成は突き進む感覚の会心作
★★★★★
松尾明トリオで成功を収めた寺島レコードは,テナーサックスの高橋康廣をフィーチャーした作品でも成功を収め,その勢いで遂に初の2管作品をリリース。
録音当時25歳の谷殿明良tpは,最初から彼をメインにしてアルバム制作を考えたというよりも,まず高橋康廣+tpの2管という構想が生まれ,そして松尾明氏の推薦により谷殿明良tpが決まったというところだろう。
さて,その谷殿明良だが,一聴して,朗々とした良い音を持ったトランペッターだ。トランペットは奏者の持って生まれた才能と肉体の差が出やすい楽器でもあり,音そのものの鳴り方の差は大きいが,谷殿明良は,小柄ながら,音は鳴りっぷりが良く,聴いていて気持ちが良い。
CDでは,録音技術や再生装置の関係もあり,その鳴りっぷりの良さが分かりにくいかもしれないが,このCDを手にした方は,ぜひライブでその音を確かめていただきたい。
バリバリ鳴らしまくるだけでなく,柔らかいサウンドも持っており,硬軟自在だ。
2管ということで,昼間鳴らすには若干やかましいかもしれず,他方,夜にはあまり音量が上げられないケースもあり,一般ビジネスマン等には難しい面もある。しかし,このCD,tpとtsが一体となって突き進む演奏主体で,カッコ良く,力強い会心の作品で,各曲が短めにまとめられている寺島&松尾明のイズムの効果もあって聴きやすく,繰り返し気軽に楽しめると思われるので,ぜひ持っておきたいCDと言えると思う。
このニューフロンティアクインテット,ライブでは,CDの何倍もパワフルでカッコ良い演奏が楽しめるわけだが,CDも強力推薦盤である。
なお,ジャケットもいつもながらセンス良く上質な仕上がりだが,できれば,ライナーノーツの収納にはもうひと工夫ほしかったというのが正直なところか。
疾走感がたまらない!
★★★★★
ライナーに寺島靖国レーベルオーナーからのコメントがあるが、いやはや1曲目からスタートダッシュなのです。2曲目のアルバムタイトル曲まで9分だというのに聴感的には5.6分か。トランペットの谷殿さんはとても新人とは思えない音のつやと落ち着きがあり、まさにこれから注目に値する存在を示していると思います。
4曲目、有名なジャズスタンダードですが出だしのアレンジは一聴したとたんプログレッシヴ盤「カフェボヘミアのジョージウォーリントン」の「Jay Mac’s Crib」と言うタイトルでのものと一緒。でもその演奏はサウンド的に重心が低い分濃厚な音の塊りとなってスピーカーから飛び出すこのアルバムに思わず軍配を挙げてしまう。続いての曲はサンバのリズムが意表をついてとても楽しい。おもわず上体でリズムをとってしまう自分に気が付いた。ジャズの楽しさを感じさせてくれる素晴らしい内容がこのあとも続き是非皆さんにも推薦したいアルバムです。
これは!Jの魂を感じる。
★★★★★
ジャズは、哀愁とガッツだ。ジャズはメロディーだ。
と常々言われていた、寺島さんの言葉通りの作品です。
泥臭い黒人ジャズもいい、冷たい水の中の、透明な電気クラゲのような、プカプカ、フワフワした、ユーロジャズも良いけど、日本人のジャズも良い!
このアルバムは、Jの魂を感じる。
全曲すばらしいの一言。
各曲が、だらだら長くなく、ビシッと締まっているのが又良い。
一気に聴いてしまい、又聴きたいと思った。
どんどんと素晴らしい作品を送り出している寺島レコードに、更に期待しますが、玉切れ?とならないようにお願いします。