「物の時代」から「心の時代」へ・・・．私達を取り巻く生活環境や社会状況の変化によって，自然との共存をめざす環境教育の視点を重視した野外教育の重要性はますます高まってきている．本書は日米における野外教育の現状を，歴史・社会経済・実践・指導者養成・測定と評価等，様々な視点からとらえた．中でも野外教育のパイオニア的存在であるニュージャージー州立野外教育センターのプログラムや実際に使用されるレッスン・シートは，日本の野外教育活動にも応用できる貴重な資料である．また，同センター所長で全米自然研究学会会長のカーク博士が国際環境教育会議で行った発表の要旨は，日本の野外教育指導者・教育者をはじめ，人間と地球の未来を考える全ての人々に深い感銘と示唆を与えるだろう．