▼にビックリ
★★★★★
同じ著者の本『光源氏と夕顔』を読んで感銘を受け、ファンになりました。
今回のもすばらしい。これほど深い内容をこれだけわかりやすく書けるものだと驚いた。
それにしても、ほかの学者は何をしていたのか、▼を見てびっくりしているのだろうか。
今まで誰も解明したことのない巻名の成立を実証しただけでなく、物語がどのようにつくられたのか、源氏物語がなぜ書かれたのかという重要な問いかけをし、緻密な学問を基にして大胆な仮説に至る。
著者の言うように、古い時代のものを「現代に引きつけて」考えるのでなく、我々が「その時代に行って」考えなければならないことを示唆してくれる。
この本は一つの物語の成立だけでなく、日本文化の真相に迫るものだと感じた。