今から３５年前に発表された彼のデビュー・アルバム。まだデヴィッド・リンドレー等の後に常連となるメンバーは参加しておらず、楽器はアコギ、ピアノが中心。後年の作品と比較すると、さすがに洗練度の点で物足りない曲もあるが、彼の瑞々しい感性は痛いほど伝わってくる。「ジャマイカ・セイ・ユー・ウィル」は彼でないと書けない曲だし、ヒット曲「ドクター・マイ・アイズ」（最高全米第８位）にも恵まれ、「ロック・ミー・オン・ザ・ウォーター」は心に響く名曲中の名曲。他の曲も秀逸であり、すべての曲に共通して言えるのが、歌詞の奥深さ。詩人としての彼の本領は本作から発揮されている。従って、本作を手にする人は歌詞もじっくり読んで下さい。２０代前半の彼の感じたこと、そしてアメリカの姿が見えてくるでしょう。

７２年発表の１ｓｔ。アコースティック・ギターを基調にして、あまり大袈裟なアレンジがされていないシンプルな作風のため、以降の作品と比較すると地味な印象を受けるが、既に曲そのものは３〜４作目と比較しても遜色がなく、いわゆるシンガー・ソングライター的なアルバムと捕らえるとクオリティは高い。弾き語りに薄らバックが付くような感じで、近年で言うとアンプラグド的なアルバムとも言える。７．はホニー・レイットがカヴァーしており、９．はリンダ・ロンシュタットがカヴァー。４．がトップ１０ヒットした。

デビュー以前からソングライターとしてその名を知らしめていたジャクソン・ブラウン。　そんな彼の待ちに待たれたソロデビューが本作となります。　バックを支えるミュージシャンの中にクラーレンス・ホワイト、アルバート・リー、クレイグ・ダーギー、デビット・クロスビーなどの超一流ミュージシャンがいるところからも、広い友好関係を生み出す彼の人間性、レコード会社が彼にかける意気込みが伝わってきます。　瑞々しい曲と透き通った声が、選び抜かれた言葉で貴方の心を魅了することは間違いありません。

ジャクソンブラウンのデビューアルバムとなった本作品。
ヒット曲としては、イーグルスが歌ってヒットしたティーク・イット・イージーが含まれている。
ジャクソン自身としても、ドクター　イン　マイ　アイズをヒットさせている。
全体的な流れは、アコースティックギターをメインとしたシンプルな曲がが中心となっているが、この人の真骨頂である「歌詞」を読みながら聞いていると一層味わい深いアルバムと感じて頂けるでしょう。それゆえこのアルバムが、デビュー作であり、かつ最もジャクソンブラウンらしいと感じる次第です。