しあわせ
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LINNEに癒されてLAHAHAで楽しくって踊りたくなって、毎日リピート。
ほんと、心に沁み入る音と言葉。
この人の音楽に出会えたことに感謝。
夜、仕事を持ち帰っても、この音楽があれば明日の不安やとげとげも溶けていく。
あ〜もうほんとしあわせ!
懐かしいけど、やっぱりどこにもなかった音。
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前作の"EXIT"で見られたきらきらした即効性の高いポップな感じはおさえられて、牧歌調のような懐かしみを持つ、聴くほどに味わいのでるアルバムでした。色味で言うと本人がどこかのインタビューに答えていたように、緑や青がイメージされるような淡い色調のアルバムです。
歌詞中にも水に関連したワードがちらほら見られました。
本作では歌が少し全面にでてきたせいか、聴いていて惹かれるフレーズがあって(Lahahaで言えば「今なら見えるのに 今なら言えるのに」など)
トクマルシューゴのどちらかいうとか弱い声も相まって切なげに聴こえます。でも冷めた感じや悲壮感はありません。
ウクレレの軽快な音で締めるMalerinaはとてもすがすがしく、ライブで披露されたこともあるLinneはアコギではなくピアノ主体の、ほぼ弾き語りではないかと思うくらいシンプルな構成でこれまた味のあるバラード。
Tracking ElevatorやRiver Lowなどの曲の随所で聞こえてくるコーラスも一緒に口ずさみたくなるくらい気持ちがよくて、
River Lowではまるで呪文のようにタイトルの言葉を歌っていて好きです。
これだけたくさんの音を出しているのに、Rum Heeをのぞいて相変わらず一人ですべて演奏しているのには驚きです。
同じ音をずっと出しているようで細かい所であの手この手と色々な音を小出ししていて、緻密なトイポップを作り出しています。
アートワークは本人でなくシャンソンシゲルさんが描いているんですがここにもトクマルさんの世界観が見事にでています。
三方背の箱の絵は少し浮き上がっていて、またつぼをつかれました。
最近、色々なところにお呼ばれがかかって知名度を上げてしまったトクマルさんですが、(いけない考えとは思いつつ僕としてはあまり知られてほしくないです)
彼はこれからも飄々と彼のやりたい音楽を作り続けてくれるんじゃないかと思いました。
音の魔術師の新作、より多くの人に開かれた音楽に
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トクマルシューゴは日本人でありながら米インディー・レーベルにて音楽活動を開始し、まずその個性が海外で認められた変り種。
近年漸く日本でも、過去の楽曲がCMに取り上げられたりメディアで記事が組まれたりと世間の注目度が高まる人。
彼の音楽には一定の型にはまらない独特の個性があり、おもちゃのピアノ・笛や各種小道具等を自在に駆使した「トイ・ポップ」と
呼ばれる音には子供が玩具と戯れる時のような無邪気さがあり、聴く人をほんのり夢心地にさせる不思議な魔法が宿る。
フル・アルバムとしては4作目となる本作は、タイミング的に日本でもブレイクするきっかけになるだろう絶好の時期に発表されたが
、実際蓋を開けると音楽の芯の部分は全くブレること無く極めてマイペースだ。一方で従来の作品よりリズム・セクションやバンド色
が強化され、覚えやすいメロディーが増えた結果、より多くの人にアピール出来る音楽になった、という変化も感じられる。
冒頭のインスト「PLATFORM」で聴ける力強いリズム隊が早くも前作からの変化を予感させる。「LAHAHA」や「RUM HEE」等の
ノリの良さと開放感には、某CMの「PARACHUTE」等で彼を知った新規のファンにも入りやすい親しみやすさがある。
一方音の魔術師らしい細部までの音へのこだわりは健在。最後の数秒で突然せわしないリズム・チェンジが行われる「LAMINAT
E」、トイ・ピアノの懐かしい音色が印象的な「ORANGE」、ウクレレらしき楽器を中心にしたキュートな雰囲気が最高な「MALERIN
A」等従来のファンも随所でニヤリとさせられる濃密な40分弱となっている。
それにしても本作を聴いていると、彼のように自在に音を操ることが出来たらさぞ楽しいだろう、と羨ましくなる。相変わらず可愛い
ジャケットのデザインも含め抜群のセンスの高さとユーモアを感じさせる逸品。個性的な音楽をお探しの方には大推薦です。