全体を貫く主題が見えない
★★★☆☆
色々な試みが散りばめられていて、
面白くなりうる作品だったが、
あれもこれも欲張りすぎて、
全体を貫く主題が見えずに残念でした。
さらに、以下の4点も残念な点ですね。
1)「共感覚」が活用される領域
少年が有する「共感覚」が真相解決の手段として
使用されずに、嘘発見器として利用されるのみ。
「共感覚」がなくとも解決できる内容だったこと
2)犯人を断定するロジック
犯人は推測した人物で間違いなかったが、
その時の状況証拠では、99%正しいと思われるが、
100%の証拠に基づいて特定していない点
3)不要な性的描写シーン
前半、後半で一場面づつ展開される性的描写。
性的描写場面が本当に必要だったのか?
特に後半の場面での描写が低俗な描写のため、
作品全体の質を大きく落としていること
4)誤変換 多数あり
特に下巻 後半では誤変換が多く、
上記3)の内容とも共通するが、
後半は非常に拙速に進めてしまっている点
出会う確立 → 出会う確率 (下巻 p85)
自分の管理化 → 自分の管理下 (下巻 p207)
以上