私自身、様々な国のショッピングモールを訪ねてきました。マニラのモールではフードコートで地元料理を手軽に口にすることができましたし、サンパウロのモールでは鞄の品揃えが意外に豊富だったことを妙によく覚えています。
この夏に出かけたホンジュラスのラ・セイバのモールは、あの小さな街には不釣合いなほどクリーンで洗練された雰囲気をもっていました。20代のホンジュラス人の友人とウィンドウ・ショッピングをして歩いたところ、彼女の友人たちがあちらにもこちらにもいて、あの街では若者たちのちょっとした溜まり場になっているのが見て取れました。日本では身近なものとはいいがたいモールが海外ではなぜ多くの老若男女をひきつけているのか。まさに、なぜ人はショッピングモールが大好きなのか?という疑問がふつふつと沸いてきて、それに対する答を求めて本書を手にしました。
しかし、これは「こうすればショッピングモールは消費者にとってもっと便利で魅力的な場所になるはずだ」という様々なビジネス上のアドバイスが提示されている書であり、人々がモールを好む理由については明確に書かれていません。それもそのはず。「なぜひとはショッピングモールが大好きなのか」という題名は早川書店がつけた邦題で、原題(Call of the Mall)をそのまま移し替えたものではないのです。
むしろ同じ著者の前作「なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学」の流れをくむ一冊であり、小売業界に働く人々への指南の書といえるでしょう。したがって邦題につられて手にした私にとって、本書の内容は期待はずれのものでした。
それぞれのトイレを別々のメーカーに任せるとか
まだまだショッピングモールには改善の余地がいかに有るかがこの本から感じる
加えて、世界各国のショッピングモールについても論じられ
その中に池袋・丸の内・奈良(何故奈良なのかは別にして)
更にドンキホーテ、スリー・ミニッツ・ハッピネス2店舗が取上げられている
アメリカと日本では多少ショッピング事情が異なるかもしれないが
アメリカのティーンエイジャーの42才の母親が、
娘の年代をターゲットにしてるブランドの服を購入する現状は
日本でも同じではないか?(バーバリーでかなり居る)
ショッピングが苦手な男性が時間を持て余す様子や
30代以上の働く女性が、ライフスタイルにこだわりを持つのも
高齢者があまりお金を落とさないのも・・・・・
更に、著者は日本の小売店の問題も挙げる
彼らが一般市民に自分にふさわしいものを提供していないと
一般市民に感じさせている
私達は本当に欲しい空間を提供されていない
この本を読んで、実践された居心地の良い空間に足を運びたいと切に思う