マドレデウスの音楽は色んなものを思い出させる。そしてそれは時に切なく苦しくさえあるものなのだが、それが具体的な映像で頭に浮かんでくるわけでもない。歌詞を読むと分かってもらえると思うのだが、そこには非常に抽象的な言葉が並んでいて夏の雲のかたちのようにとりとめない。しかしそれゆえに何か、＜人類共通の記憶＞とでもいうしかないようなものにつながっていけるような・・・そんな不思議な感覚になる。この景色はどこかで見たことがある、この気持ちはいつか感じたことがある・・・それは自分か、それとも誰かが・・・？

～「海と旋律」のヒットにより興味を持ち、このCDを買いました。
さて、その「海と旋律」は、旋律と、その解釈は、よいのですが、
歌唱力、アレンジとも今一歩といったところ。
もっとうまい人、もっとそつのないアレンジャーによる演奏を、
きいてみたいなあ、と思いました。

とはいっても、この音楽を聞くのではなくて、BGMにながして、
～～
おく分には、十分な品質をもっています。

曲調としては、「海と旋律」だけが、ういていて、あとは、ヨーロッパ
のいろいろなところで聞くような民謡風な曲がおおいようです。
「海と旋律」を期待して、これを買うと、残念な気分になるかもしれません。～

お天気のよいのんびりした日に聞きたくなる。
いくつかの曲はポルトガルの風景を思い起こさせ
心だけ彼の地へトリップさせてくれる。

ちょっと哀愁をおびた曲調も心に響きますが、何よりも透明感のあるテレーザの声。何年か前の来日公演の時、アンコールで彼女が歌ってくれたのは「七つの子」。涙がこぼれました。 マドレデウスの曲は、忘れてはいけない何かを思い起こさせてくれるような気がします。