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格差社会ニッポンで働くということ―雇用と労働のゆくえをみつめて

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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日本がアメリカ並みの格差社会であるということと、その問題の要因がよく書かれています ★★★★☆
 今、派遣切りなどが社会問題として、失業が政治の課題としてクローズアップされている中で、日本社会が貧困率14%でアメリカについで抜きん出た世界第2位の格差社会であることがさまざまなデータで明確にされています。さらに企業の人事政策、賃金体系、非正規雇用の拡大、セーフティーネットの貧弱さの現状と問題の要因が雇用形態論と労使関係論を軸に分かりやすく広範囲に述べられています。格差社会と日本の貧困問題を考える参考書としては分かりやすく良い本だと思います。ただ、経済のグローバル化という名のもとに、なぜ日本が新自由主義に進んだか(中曽根さんや小泉さん路線を許したか)またそれに変わる所得再分配を重視した福祉社会にどううやったら変われるかの展望と長期的な方策があまり語られていないのが残念で4/5ポイントとしました。
亡国への道 ★☆☆☆☆
労使関係という形から日本を見た本。

読んでいて非常に腹が立った。未だに労働者と経営者は対立するという図式で見ている社会主義者であると感じた。
筆者の論理は、企業や経営者はどこかに金を蓄えていてそれを不当に搾取しているという論理。しかし、現実はそうではない。例えば、筆者が例えに上げている「同一賃金同一労働」は、現実的に達成不可能。同企業間でなら達成しなければなら無いが筆者はそれを企業を超えて達成しようとする。そうするとどういうことが起きるのか本当にわからないのだろうか?生産性の低い企業も生産に応じて賃金を支払わなければならなくなる。規模の小さい企業が耐えていけるのだろうか。

格差の原因を労働組合の弱体化に求めているがその論拠が感情的で薄い。こういう人が影響力を持ち規制が強化されることで、若者はもっともっと貧しくなっていく。まさに亡国への道を歩む、正義から出た大迷惑。
労使関係の果たす役割 ★★★★★
労働の視点から格差をとらえる。ここでの「格差社会」の定義は明確ではないが、再分配後の所得格差だけでなく、それと不可分な働き方そのものの格差が生涯にわたって固定されることを問題視。

特に雇用形態による格差(=非正規労働者の問題)について、先進各国の事例が紹介され、フルタイム正社員という身分かそうでないかで所得も社会保障も大きく異なる日本の労務体系が非合理的だと説明される。雇用形態や企業の違いに関わらず職務別に賃金のベースが決まっているドイツの例などは説得力がある。ただし、これを可能にしているのは業種別に横断的な労働組合が企業と協約を結んでいるからで、本書で一貫して強調されている労使関係の重要性を示唆している。

著者の論点のユニークさは、労使関係に目を向けることで労働格差とも言える上記のような問題解決が図れるのではないか、という仮説である。特に、ノンエリート社員や非正規労働者を中心とする企業横断型の労働組合運動が、ペイ・エクイティ(同一価値労働同一賃金)の実現やセーフティネットの充実を通じて格差を緩和させることに期待している。その点で、これまでの日本型労使関係の中心であった企業別組合には批判的。