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能力主義と企業社会 (岩波新書)

価格: ¥840
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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何の能力が必要か ★★★★★
大きな組織になればなるほど、いろいろな能力を持った人の強力が必要になる。
能力主義といっても、「何の能力」を持った人が必要かを見誤ると、組織が弱体化していく。
年功序列に対する能力主義の意味がわかったとして、何の能力見ていくのかが課題かもしれない。
個々の組織によって違うので、一般論に正解はないのかもしれない。
一国史的だが読み応えのある本 ★★★★★
 1938年に生まれた労使関係研究者が多くの「補助労働」に支えられ(あとがき)1997年に刊行した本。日本的経営は、「常識」に反して、顕在能力(実績)を重視する欧米と異なる、潜在能力(柔軟な適応能力、生活態度としての能力)重視の能力主義であった。戦後初期の日本企業では、労働組合の強さを背景に生活給に裏打ちされた「年の功」賃金が支配的であったが、1965〜75年頃=第一期、高度成長を背景に、職能資格給(「年と功」賃金)、社員のランク分け、人事考課、小集団活動(QCサークル等)と共に、年功制に内包されつつ能力主義管理が導入された。続く1975〜92年頃=第二期には、低成長・円高・消費社会化を背景に、人員削減、ME化、JIT方式、フレキシブルな働き方への要請の高度化、会社人間化、生活態度としての能力の重視が進み、年功制度は空洞化した。全階層を包括する頻繁な個人ごとの(同一労働同一賃金の欧米と異なる)多面的な(実績、潜在能力、情意)人事考課による、強制された自発性の喚起がこれを可能にした。同時に、男性長時間労働者と女性短時間労働者が手を携えて増加する。1992年以降の第三期には、ホワイトカラーへの目標管理制度の導入、実績主義賃金(フレキシビリティ要請により歯止めがかかるが)と賃金格差の拡大、雇用形態の多様化(69頁)、リストラの日常化・配転の広域化・転籍の頻繁化、労働密度の増大等が見られ、能力主義管理が一層強化された。著者は警戒しつつも、こうしたもう全面否定はできない傾向との望ましい付き合い方を模索し、個人主義は集団主義によって守られるという観点から、ゆとり(ノルマ等の規制、訓練機会の保障、最低保障)、仲間同士の連帯(連帯賃金構造、配置の平等化、ワークシェアリング、条件付き人事考課等)、決定権(発言する場の確保)による働きやすい職場づくりを提唱する。
「会社」も日本の歴史観で見れば「形を変えた封建社会」に過ぎない ★★★☆☆
結局、高度経済成長を担った「会社」も日本の歴史観で見れば「形を変えた封建社会」に過ぎないことを柔らかく主張している本と思う。
行き過ぎた能力主義の警鐘を鳴らす正論 ★★★★☆
 能力主義賃金の導入が叫ばれる中、その問題を考える上で有益な本です。「日本=年功」、「欧米=能力」という通説が、特にブルーカラーには当てはまらないことが示され、行き過ぎた能力主義に警鐘が鳴らされます。「甘い」と思う部分も少しありますが基本的に正論だと思います。
「能力主義化」の潮流に警鐘 ★★★★★
能力主義は極めて多様でかつあいまいな概念である。著者は「普通の労働者」に対して安易に能力主義が導入される風潮に警鐘を鳴らす。労働問題研究の大家による鋭い指摘は、考えさせられる点が多い。拙著『個人尊重の組織論』(中公新書)と比較しながら読むと、いっそう論点が鮮明になる。