一見難しいのですが
★★★★★
世田谷オーボン・ビュータン・河田シェフの、“2冊目”。
今回はタイトルどおり、小菓と砂糖菓子をテーマにした一冊ですが
前作より設備や環境、あるいは多様な材料が必要なため、より
プロ向けになった印象があります。
しかしながら一冊目と同様、たとえば飴の煮詰め温度にしても
「なぜそうするのか」が明確な根拠、あるいはシェフの哲学と共に
書き添えてありますから、プロでない方にももちろん有用です。
たとえば、多くの人はp.221にある綿飴を作らない(作れない)
でしょうが、材料となる香料入りザラメを自作するところから始め、
しかしそれだけでは色が付かないので仕入れた色ザラメを混ぜ、
そうしなければ滑り落ちてしまうことゆえ白ザラメで芯を作る・・・
といった情報、そこに価値があると思えますので、一見とばして
しまいそうなところも精読することをオススメするものです。
だから書店で立ち読みしても得るものは少なく、買ったほうが、
一生モノと思えば後々オトクでは。
入手困難な“0冊目”、中央公論新社「〜フランス地方菓子」とも
かぶる内容が多々あり(ラング・オ・エピスというクッキーは最高です)、
これで個人的にはジャムの作り方などもっと詳しければと思うくらいで、
まことに楽しい一冊です。