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ハムレット (岩波文庫)

価格: ¥903
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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面白く読める新訳本 ★★★★★
 2002年1月リリースというから、「ハムレット」としては新訳の部類になるのだろう。その訳だが、実に歯切れがよく、きびきびしていて読みやすい。また、各ページの下段に載っている注釈が実に面白く、現代的であって、いわゆる今風の解釈で書かれている。

 特にオリジナル英文を載せて、翻訳するにあたっての経緯などが書かれているのは、読んでいて興味が尽きない。下ネタは」いうに及ばず、4-letter wordsが出てきたり、オフェーリアがどぎつい卑猥語をしゃべっていたりするいきさつを読むのは、新しい発見である。

 今や有名になってしまった「ハムレット」内での" Let it be!" なるフレーズ、野島センセは「どうでもいいことだ!」と訳されているが、これは決してどうでもいいことではないような気がする。
おもしろかったです。 ★★★★☆
読みやすかったですし、
おもしろかったです。

シェイクスピアの作品は何作か読んでみましたが、
読んだ中では一番好きでした。

ストーリーは有名ですよね。

死んだ「父の亡霊」に「父の死」の真相を告げられ、
殺した「父の弟」へ復讐をするという物語。

『マクベス』『オセロー』『リア王』
とともに四大悲劇に数えられる作品です。

確かに、
悲劇は悲劇なんですが、
結末が「揃いも揃って○○」っていうのは、
ちょっと喜劇的かな?

この岩波の2002年発行の版は、
各ページの下段に脚注が入っています。

目ざわりと感じる人もいると思いますが、
脚注の度にいちいちページをめくる必要もなく、
とても便利です。

筋だけを追っていきたい人は、
無視して読み進めればいいですし。

私は、筋だけを追っていきたかったので、
たまに見る程度にしていました。

より深く読みたい人には必須ですね。

下段に収まりきれなかったものに関しては、
後ろの方に「補注」として書かれています。

「解説」もわかりやすかったですし、
本として良いデキだと思いました。

『リア王』も同じような造りらしいので、
『リア王』を読むときは岩波版を読んでみたいです。

個人的なオススメ度としては、
星4つです。
年配者向け『ハムレット』 ★★★☆☆
 昭和5年生まれの野島氏が、取り立てて斬新さもない新訳を平成の世に送り出すのは何故か。私は定年後の団塊の世代を狙った、岩波の戦略と見る。

 ほかの日本語訳と比べて、この野島訳の特徴は、何よりもまず注が豊富なところにある。ページ数は400ページ以上、新潮や角川のものと比べて倍近くになる。定年後にカルチャーセンターでお勉強したいタイプの方々にはうってつけだろう。ただし野島氏はただの大学の先生というよりも、評論家風の物書きなので注意が必要である。しかしこれも評論家風の香りが好ましいと感じられるかもしれない。今や評価が地に落ちた感さえある、ドーヴァー・ウィルソンの版をあえて積極的に利用しているあたりにも、氏のツッパリ振りが味わえる。

 訳を見てみよう。3幕2場、有名な劇中劇の場面で、ハムレットにからかわれたオフィーリアが次のように言う:

「また、そのような厭らしいことを。ひどい、ひどいわ。もう知りません。わたくしはお芝居を見ることにします。」

正直、この「ひどい、ひどいわ」には思わずのけぞってしまった。このオフィーリアは吉永小百合の世代だろう。下っても、せいぜい酒井和歌子だと思うがどうだろうか。要するにカウンターカルチャーの洗礼を受ける以前の言葉である。古い。(もっとも、集英社文庫の永川玲二訳よりはいい:「いやですわ。意地悪なことばかり。」)

 この岩波版は、団塊の世代以上の、おじさん/おばさん、おじいさん/おばあさんを対象とした版と言える。目に優しいワイド版もあるようだから、そちらが主力になるのではないか。
注釈がページ下部についていて便利 ★★★★★
シェイクスピア最長の悲劇とのことですが、冒頭の幽霊が登場するシーンから最後まで弛緩せず、緊張感が続き、読み手の関心をひきつけます。
この岩波文庫版は、訳が新しく読みやすいことに加えて、ページの下部に注釈、長い補足は巻末についており、参照しやすくなっている点がうれしいところです。
ただ単に筋を追うだけでしたら、このような注釈は不要でしょうが、一つの場面やセリフに含まれた重層的なイメージを知るためには、専門の研究者でもなければ、注釈で補足してもらう必要があるでしょう。
ストーリーの面白い/つまらないというだけではない、物語の奥行きをうかがい知りたいと思う人であれば、この岩波文庫版が便利だと思います。
オフィーリアに捧ぐ ★★★★★
 世界文学史上、最も魅力的なヒロインは?
 もしそんな問いが投げかけられたならば、私はこう即答しよう。
 狂った後のオフィーリア、と。

 To be, or not to be, that is the question.
 すなわち、非現実的理想か、非理想的現実か。
 生きるべきか、死ぬべきか、などというのは恥ずべき誤訳。
 なぜなら、この狂おしき文句が吐き出されるとき、生などどこにもないのだから。
 生は彼方に、それこそがこの壮大な悲劇を包み込む、まさに問題なのだ。

 それゆえに、オフィーリアが果てしない光を放つ。
 この世界、そんな生に恋焦がれるDaydream Believerは夢遊病者と訳されてさまよう他ない。
 そして、彼女は不条理の世界を圧倒的なスピード感を以って振り切った。
 ただただ憧れを誘われずにはいられない。

 そのオフィーリアを演じることなど、誰を以ってもできやしない。その魅力はテキストに
よってのみ知られうる。顔を持つことの退屈さ、身体を持つことの有限性、それもまた、
この本の教訓のひとつ。
 無論、その破壊力もシェイクスピアの傑出したことば遊びの重層性によってはじめて
引き出され得るもの。野島氏によるこの翻訳は、ただ素人が原典の英語と睨み合ったところで
そうそう気づけるはずもないような優れた示唆を豊富な注釈を通じてもたらしてくれる。
 オフィーリアに限らず、読む度に何らかの驚きを与えてくれる古典の中の古典。