ハイフェッツのファンなら是非
★★★★★
待望のSACD化。もう何も言う事は無いほど素晴らしい。
北欧の冬の自然の厳しさを彷彿とさせるような荒涼とした前奏で始まるシベリウス。そこへ凍てつく刃のように切り裂くハイフェッツのバイオリン。オケと対峙し殺陣を思わせるような真剣勝負。このテンションの高さ、鋭さは比類が無い。
この演奏、LPでもCDでも親しんで来たが、今回のSACDで、より情報量が多くなり、バイオリンは響きの厚みが増し、鋭さだけではない奥の深さも再発見する事となった。1959年の録音とは信じられない状態のよさである。録音媒体の経年劣化は防ぎ様が無く、オリジナル盤が重宝されるご時世でもあるが、それを克服した技術の進歩に拍手を送りたい。