大学入学のために仙台へ引っ越してきた椎名。新居の片づけをしていると、同じアパートの河崎と名乗る男が声をかけてきた。口ずさんでいたボブ・デュランの曲に興味を持ったらしい。しかし、彼は初対面の椎名に、同じアパートに住むブータン人のドルジという青年に広辞苑を盗んでプレゼントしたいから「本屋を襲わないか?」と誘う。ドルジは河崎の元彼女の琴美と付き合っていたらしい。また買うのではなく盗むのが大切だと奇妙なことを言う河崎。 椎名は逃げ腰だったが河崎の巧みな話術にのり、気づいたら本屋襲撃に加担していた!
伊坂幸太郎の人気小説を映画化。本屋襲撃の裏に隠された、河崎、琴美、ドルジの不思議な友情、かつて彼らの住む街を荒らしていたペット殺し事件のエピソード、これらには巧妙な伏線が張られており、それは原作も同様。ただ原作では映像化不可能なトリックがあり、これをどう映画で描くのかが、原作ファンの興味の焦点だったが、これを中村義洋監督はうまく料理した。見るものに目の前の世界を信じさせる巧妙な演出は絶妙で、役者もよかった。特に主演の瑛太(河崎役)と濱田岳(椎名役)は見事なものだ。読んでから見ても、見てから読んでも味わい深い本作。青春ミステリーの傑作として語り継がれる作品になるだろう。(斎藤香)
「輪廻転生」ブータン人は生まれ変わるから死を恐れない
★★★★☆
「輪廻転生」ブータン人は生まれ変わるから死を恐れない。
因果応報の物語である。人々は時代も原作も脚本も俳優も若いのに
仏教的死生観がセリフにあるからという理由ではなく
画面全体に感じられるでなく感じられる。
濱田岳の芝居が最高にうまい。この監督は時々ミスキャストをして
自ら書いた素晴らしい脚本を台無しにするが
今回は素晴らしい。
胸を張って友達にオススメできる作品
★★★★☆
映画を見て久しぶりに充実した気分になった
伊坂映画化作品の中でトップだと思う
ミステリーの要素もある青春映画
★★★★☆
原作を知らず、予備知識ゼロで観た。
そもそも本作がミステリーであることを知らずに観たので、
「え?何?どうなってんの?」とグイグイ引きこまれながら鑑賞。
そして自分にとっては、他にも同じことを言っている方がいらっしゃるが、
「ミステリーの要素もある青春映画」だった。
前半の細かい数々の伏線が後半で徐々にきちんと、
若干のつっこみどころはあるものの、ほぼ矛盾なく解き明かされていく上手い構成。
自分は推理小説やミステリーを観る・読む力が乏しいようで、
すぐこんがらがってわけが分からなくなってしまうのだが、
この作品はそんな自分でも理解できる、難解すぎない、でも見ごたえのある展開。
謎解きだけでなく、友情、家族、ほのかな恋愛なども優しく描かれている。
主要な登場人物を演じる濱田岳、瑛太、松田龍平、3人ともとてもいい。
観た人それぞれがその先を想像して、どのようにも取れるラストも良かった。
本作が好きじゃない人からは「前半の展開がまどろっこしい」
「スローモーで入り込めない」という意見を聞く。
自分には絶妙なテンポに思えた。
でも考えてみたら、正統な映画ファンからは叱られてしまいそうだが、
自分はテレビ放送を録画して、後で1・3倍速で観たんだった。
てことは、本来のスピードだったら、ちょっと遅いテンポに感じたのかな。
多くの方が述べている、河崎の視点からの回想シーンでの
河崎と椎名の出会いの場面、しみます。
日常に潜む狂気
★★★★☆
何の予備知識もないまま観ました。
ディランの曲が重要なポジションだということ
みたいなので
観ないワケにはいかなかったのです。
果たして、自分の中ではかなり満足できる映画でした。
ちなみにディランの声は「悪魔の声」と呼ぶヒトもいます。
寂れた公園の中のブランコ、海辺の一本の木
コインロッカー
引きこもりのブータン人・・・
個と個が断絶したシチュエーションにまず現代の
やりきれない物悲しさを感じるのだが
それだけではなくユーモアがたくさん
散りばめられているため、
物語全体に流れる不穏な空気も安心して身をゆだね
観ていくことができる。
僕は完全にこの映画を「青春映画」として観た。
この映画の場合「謎解き」
は手段に過ぎないんじゃないか。
個と個が断絶した関係性の中で、一人の人間を知り
理解していくことは、もはや現代において
ミステリーなのだから。
この映画は完全に瑛太の映画だったw
「アンフェア」から狂気を演じられるすばらしい若手俳優
と思っていましたが、狂気と優しさ
悲しさ切なさをすべて表現できた彼はすごいと
思います。
関めぐみさんも素敵です。それも濱田岳クンの包み込むような、確かな演技力あってのことですね。
本当に映画を観て、小説が読みたくなるそんな
物語です。
古谷実の漫画や村上春樹が好きなヒトにも
かなりオススメです☆
引き込まれました
★★★★★
後半が特にググっと引き込まれました。
前半はちょっと我慢が必要かもですが、、
面白かったです。