J.ガイルズ・バンドはJ・ガイルズとピーター・ウルフを中心に1967年に結成されたバンドだ。ブラック・ミュージックの影響を色濃く打ち出した音楽性をもち、白人最高峰のブルースバンドと称賛されるなど、1969年のデビュー以降、発表するアルバムは常に高い評価を得てきた。
本作は、それまでのテイストとは異なった、一般大衆にも受け入れ易い内容となっており、不満をもらすファンもいたが、多くは本作を支持した。1982年には<3>が全米No.1を記録したほか、<1> <8>などもヒットした。(春野丸緒)
80sのJ.ガイルズ・バンド、さてどう見ますか(^^;
★★★★☆
'70年のデビューアルバム以降、毎年のように作品をリリースしてきたJ.ガイルズ・バンドの通算13作目('81年作)。ざっと10年以上にわたってメンバーチェンジもなく、ひたすらアメリカン・ロックをやり続けて来た彼等が、本作では少しその部分からはみ出したような(?)感じも受ける楽曲を幾つか入れています。
ポップさとロックの痛快さがベストマッチを見せる[1]や[3]は、ある意味、本線に基づきながらも少し幅を広げたような印象(とにかく、大ヒットしてましたね)、[4]はストリング(シンセ?)がイントロからサビまで絡んできるダンサブルなナンバー、また続く[5]でのアップ・ビートとJ.ガイルズのカッティング、印象的なブレイクが気鋭の80sミュージックグループのような印象を与えてくれます。[7]もどこかしら80sブリティッシュ・イノヴェーションを少し意識したような雰囲気もあります。
J.ガイルズ・バンドもそうですが、70s初期から一途に(?)活動を続けてきたアメリカンバンドがいきなりチャートバスター的に扱われたのも80s初期だったように思えます。REOスピードワゴン然り、ジャーニー然り、S.ミラー・バンド然り、、、。全てか否かは別として、自らのポリシーと言うか、信念に似たものを貫いて10年間以上にわたり活動を続けて来た彼等には、やはりここ一番の"強さ"があるのですね。
J.Geils Band のポップな魅力が大爆発したアルバム
★★★★★
キーボードのセス・ジャストマンのプロデュースにより、J.Geils Band のポップな魅力が大爆発したアルバムです。印象的なカメラのシャッター音の後、セスのオルガンがポップなイントロを奏でるタイトル曲の他、とにかくセスの活躍が目立ちます。同じようにオルガンのイントロが印象的な堕ちた天使 (Centerfold) はあまりにも有名な曲 (セスの曲) で、J.Geils Band と言えばこの曲を思い浮かべてしまうほどのポップな名曲です。ストリングスが使われた Do You Remember When の寂し気なヴォーカルも心に残ります。しかしこの後にヴォーカルのピーター・ウルフが脱退。ピーター抜きで『You Gettin' Even While I'm Gettin' Odd』(再発熱望!!) が発表されますが、その後に解散してしまいますので、実質的なラスト・アルバムと言えるでしょう。熱いヴォーカルと演奏に涼し気なオルガンが絡む夏に最高の一枚です。
Rock and Roll
★★★★★
1曲目がつっぱしっていないのはちょいと残念。当時の時代状況(81年リリース)を反映してニューウエイブ(シンセサイザードリブン)なサウンドプロダクションを採用。シングルヒットに助けられてなんとか沈没は回避したものの、やはりブルージーな部分がだいぶ消えたことなどマイナス面も多い。捨て曲も多いのだが、基本がパーティー向けなのでエンジョイできるアルバムでは。売り上げの面ではだいぶ成功したアルバム。
10点中8点
堕ちた天使が舞い戻る。
★★★★★
TVCFで流れているのは、懐かしの『堕ちた天使』ではないか!(サントリービール) プロモVでは、下着姿の女の子たちが教室で踊ってたな~。苦節○年、念願の全米制覇を果たしたこのアルバムは、まさにJ.ガイルズの頂点だ。オープニングから楽しくなっちゃう。そんな中で『エンジェル・イン・ブルー』は哀愁ただようバラードで、これがまた良い。近頃の80年代ブームで過去のヒット曲をよく耳にする。コンピ盤もよいけど、好きな曲が入ったオリジナルアルバムを通して聴くのが良いのだよ。
J. Giles Bandの最高傑作
★★★★☆
ビールのTVCF♪ナーナーナ・ナナナ♪のおかげで、20年遅れながら日本でもポピュラーになった感のあるJ.Giles Bandの最高傑作です。件のCF使用曲「Centerfold」も、もちろん収められてます。
リーダーのJ. Gilesのカッコいいコードカッティングとソング・ライティングも担当するSeth Justmanのキーボードがこのバンドの音の要かな。当時はよくR. ストーンズとの共通性が言われたように、ラフでストレート、ブルースっぽいロックが持ち味なワケだけど、本作では、スタジオワークにも熱を入れ、丁寧な作りが成功したようです。
件の「Centerfold」、「Freeze Frame」、「Angel in blue」をはじめ、彼らの代表作の半分近くが本作に含まれますから、初めて聞く方に安心してお薦めできます。70年代のストーンズが好きな方には一度聞いていただきたい、ワイルドなアメリカン・バンドです。