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ランボオ詩集 (創元ライブラリ)

価格: ¥945
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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小林とランボーとの関わりをほぼ完備した文庫 ★★★★★
 小林秀雄「ランボオ」訳詩の文庫版は現在3種類ある。①岩波文庫「地獄の季節」、②文春文庫「考えるヒント4」、そしてこの③創元ライブラリ「ランボオ詩集」である。①は活字が小さいのが難点だが、もっとも薄手でコンパクトな感じがする。②は中原中也についての文章も入っていて、小林秀雄と詩人の関わりを集約した内容になっている。③は小林によるランボー関連の訳詩と文章をほぼ網羅した内容になっている。
 仮名遣いと漢字については①現代仮名遣い・新漢字、②歴史的仮名遣い・新漢字、③歴史的仮名遣い・旧漢字となっていて、たとえば①と③では読んだときの感じは相当違う。
 ランボー論については②と③にはすべて収められているが、①には収録されていない。ただし、①には②にはない訳者後記がついている。③には後記が二つ収められているので貴重。
 初めての人にとって、小林訳ランボー詩入門には①がいいと思う。②も独特の雰囲気があって、捨てがたいものがある。とくに仮名遣い・漢字・活字の目に触れてくる感じはこれが一番いい。だが、③には韻文詩の訳もすべて収められているし、本格的に小林秀雄とランボーの関わりを読むならば、この創元ライブラリということになる。
東京創元社初版本の記憶 ★★★★★
「かつては、もし俺の記憶が確かならば、俺の生活は宴であった」(『地獄の季節』冒頭 小林秀雄訳)

多分まだ「子ども」だった頃、この東京創元社の『ランボオ詩集』のセピア色に変色した初版本が家にあったので読んだ。歴史を刻み込んだこの本が、ライブラリの一冊となって再登場した。私にとって、ランボオの翻訳は、ニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』の翻訳が氷上英広でなければならないように、小林秀雄の翻訳でなければならない。

「如何にも、新しい時というものは、何はともあれ、厳しいものだ。(……)暁が来たら俺たちは、燃え上がる忍辱の鎧を着て、光り輝く街々に入ろう。(……)さて、俺には、魂の裡にも肉体の裡にも、真実を所有する事が許されよう」(『地獄の季節』の末尾「!別れ」より)