何度も繰り返しプレイする事で、序々に明らかとなるストーリー・快適な操作環境と、とても良い作品だと思います。惜しいのはやや短めのストーリーと、何枚かデッサンのおかしいグラフィックがあった事です。

余り恋愛ゲームっぽくないゲームでした。
近年の美少女ゲームは田舎で主人公が複数の女の子に囲まれイチャイチャし、時にはけなされたりしながら過ごす物が中心です。
その中で長い時間をかけて繊細な心理描写と女性キャラ達の隠された想いを知って感動し、その過程を楽しんでいるのです。

ですが、このゲームは中心となる部分を凝縮しユーザーに伝える事に成功しています。
健康ブームの到来で流行したカロリーオフ飲料のような良さがあり、薄い、味がしないという人もいれば体(プレイ時間)への負担が少なく水準以上の商品だから満足というユーザーもいます。

ゲームストーリーは一途な恋愛物ですがこれが主人公とヒロインの性格に見事にマッチしています。
絵のインパクトが足りないのは事実です。それでも表情がコロコロ変わるし飽きませんでしたね。
ゲーム評価は4点だったのですが音楽の出来が素晴らしい。
恋愛ゲームの曲は1周1分程度の曲が多いのに本作は長い物で4分越えという気合いの入れように圧倒されたので+1。

何といえばいいのか。ありきたりな話だ。ある程度進めれば話の結末わかるし。でも悪くはないと思う。ありきたりでも同じではないし様々な終わりがあるから楽しかった。泣くまではいかないけど。ひかりの物語と真夜の物語がお薦め。まぁ主軸だし。あぁ、AIRやKanonや世界ノ全テのような泣けるゲームはないのかな?特に世界ノ全テみたいな。

プログレッシブ対応。
OP・EDはう〜〜〜ん・・・。個人的は好きではないかな。
KIDオリジナル完全新作。限定版はドラマCD、特典はデスクアクセ。

という事でとりあえず購入。システムはKIDなのでほぼ問題なし。
ただ、KIDのシステムでロードしたり、初めから始めるとクイックロードが消えるのが不満です。どうでもいい？
内容の方ですが、流れとしては３−１−１みたいな感じで、核心に迫っていきます。初回のプレイで大体推測は立てられるでしょう。
それでも、後半に入るとぐいぐい引き込まれる感じはありましたし、判らないこともありましたから楽しみがなくなるなんて事は無いです。
このへんは、KID作品のお家芸みたいなものですね。そういう意味では、この短さはいい方向に働くとも思えます。
長物好きには、絶対的にボリューム不足感は否めないでしょうがそこはそういうものだと割り切った方がスッキリします。
KIDものは移植物に多いギャルギャル、デレデレ、していないところがいいところだと思いますので、ギャルゲー嫌いな方でもやりやすい作品になってると思います。
ミステリー小説でも読んでる感じでプレイすれば恋愛要素なんて然程気にすることはないと思いますので、万人にお勧めいたします。

キッドの作品らしく、快適な操作環境・巧みで謎めいた物語展開と、良い作品なのですが…ボリュームの不足と、デッサンのおかしいグラフィックが、折角の作品の良さを壊してしまっている様に思えます。惜しいです!