血が滾る表現
★★★★★
この演奏で、ラフマニノフ・ピアノ協奏曲三番に初めて出会ったので、他の演奏との比較はできないけれど。
この盤の三楽章は、今までに聴いてきた曲(クラシックのジャンルを超えて)の中で、経験したことのない表現を味わうことができた。「血が滾る」としか言いようがないもの。
この演奏の背景にあるもの。今は亡き、演奏者に訊いてみたくなった。名演ですね。
観客席の雑音が最低
★☆☆☆☆
演奏が良いのに観客席の咳やら声やらところどころ入っていて聴くにたえません。
ホロヴィッツを良い音でどうぞ!
★★★★★
ホロヴィッツというと、最晩年の初来日公演での“壊れた骨董品”という一部評論家の
手厳しい評価が近年の日本では定着してしまい、若い方の中には聴かず嫌いの方も多いと思います。
また、彼の魅力と実力を実感できる壮年期の録音は、どれも決して音が良いとはいえません。
このピアノ協奏曲第3番は、作曲家ラフマニノフ自身から演奏する気を奪った
名演としても有名で、このオーマンディー/NYフィルとの1978年ライヴは
再発によって音が鮮明になったので、さらに魅力が増しました。
当日のホロヴィッツが不調だったことはこの録音からもはっきりわかりますが、
曲が進むにつれて調子を取り戻してゆき、第3楽章におけるすばらしいまとめ方を聴けば、
些細なミスタッチなどは全く気になりません。
“どこかワクワクする”という意味でも、ホロヴィッツに代わるピアニストはいません。
壮年期にライナーと共演したスリリングな“凄演”と共に、やはり歴史的名演と言えるでしょう。
一方、ピアノソナタ第2番に関しては、
1980年(77才時!)のライヴ録音であるという事実が信じ難いほどに力強く、
老齢ながら王者の風格たっぷりな堂々たる演奏で、
神がかり的な1968年盤と共にこちらもマストアイテムにすべきです。
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 の決定版
★★★★★
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番の決定版と言って良い。ワイゼンベルグ、クライバーン、アシュケナージ、アルゲリッチなどその他の演奏家、ホロヴィッツの他の演奏と比較しても圧倒的に優れている。99年発売の盤のレビューにも書いたが、作曲者の意図を完全に再現しているといえる全編を貫く寂寥感と緊張、ライブ録音ゆえのオケとの一体感に圧倒される。また、徹底的に計算しつくされたと思われる一つ一つのフレーズの表現も他の演奏と比較するごとに、まさにこの表現しかないと確信させられる。張り詰めた緊張感のなかからふと浮かび上がっては消える一瞬の美しい旋律を繰り返し、怒濤の最終章へと上り詰める。決して美しく整った演奏でも完璧な演奏でも無いが、完璧な音楽を表現していると言っても言い過ぎではない。
元々LPで発売され原音源もアナログであるが、この盤では24ビットマスタリングとなり99年盤比較し音の厚みや解像度が向上している。ただし、99年盤より音量レベルが上がっており、逆に言えばピークにリミッターを深くかけていると思われる。原音の広大なDレンジを再現するためSACDなど必要なのかもしれない。
音質が向上しています。
★★★★★
99年に発売された、ホロヴィッツとオーマンディ指揮ニューヨークフィルとの競演によるラフマニノフ、ピアノ協奏曲第3番の再販。私はその旧版を持っておらず、93年に販売された輸入版で聴いたのですが、ホロヴィッツの型破りな演奏や、1楽章におけるヴァイオリンの冷たく切れ味鋭い音色にも、鳥肌を立て凍えそうになりながら聴いたものです。彼によるこの曲の演奏を聴いて、作曲者であるラフマニノフは感動し、「この曲を演奏する気がしなくなった」と語ったと言われていますが、この録音を聴くとその気持ちがわかる気がします。3番の演奏については、これが決定版だと思います。
演奏それ自体は非常に素晴らしいのですが、音質が悪く、ぼやけた音になっており、どこか遠い音、特にホロヴィッツのピアノは摩訶不思議な、青白くぼやけた音になってしまっていました。録音状態の良い、彼の他のCD(The Complete Masterwork Recordingsなど)を聴くとよくわかります。
今回新しい版が出たとのことで購入してみましたが、明らかに音質が向上しており、クリアな音色になっています。この機会に是非この名盤を聴いてみられることをお薦めします。
私が作成した"リストマニア"リスト「民主党とマスコミから日本を守るために」も参考にしていただけますと幸いです。