2人の若武者の隠れた名演奏!
★★★★★
流麗なアルトモンと剛腕ワッツという対極的な2人によるラフマニノフ人気の2作品です。
両曲共に古い録音ですが録音状態は極めて良好で、その内容と相まって現在でも充分に楽しめます。
まずピアノ協奏曲第2番ですが、決めるところはビシッと決める懐の深いバーンスタインの伴奏と、
当時まだ26歳だったアルトモンの繊細で上品なピアノがとてもマッチしています。
フレンチ臭さをあまり感じさせないアルトモンのドライなピアニズムは、
この曲を何度も聴いてきた誰の耳にもおそらく新鮮に響くでしょう。
・録音:1960年
・ピアノ:フィリップ・アルトモン
・指揮:レナード・バーンスタイン
・オーケストラ:ニューヨーク・フィル
そしてピアノ協奏曲第3番。なんとワッツ24歳時の録音。指揮は恩師バーンスタインではなく、
当時35歳だった若き小澤征爾が立派につとめています。
ワッツの柔と硬が顕著に表れていて、第3楽章ではピアノがやや暴力的な部分もありますが、
小澤との相性は事のほか危惧するところではなく、むしろ極めて良好です。
全体的にとても熱くエキゾチックで、当時の小澤の勢いと共にすがすがしい演奏です。
・録音:1970年
・ピアノ:アンドレ・ワッツ
・指揮:小澤征爾
・オーケストラ:ニューヨーク・フィル