ためになりました
★★★★☆
著者自身が会話に苦労したということで、失敗した経験が語られていて、とても親身に「これはよくない!」ということを教えてくれています。
コミュニケーションが苦手な私は、自分がすごくダメな会話をしていることがわかりました。とても、反省させられました。
編集者という、人の話を聞くことを職業にしている人は、聞くことに関して、心構えがおありで、普通の職業をしている私でも参考になります。内容がぎっしりなので、しっかり読み込めば、”聞く”ことの達人になれそうです。
久々の骨のある本
★★★★★
ビジネス書を読みなれてくると・・・どこか借り物のような感じが出ているとスグに気が付く。
しかし、この本は一本芯が通った「ぐっ」とくる読み応えがある。
筆者の経験談があるせいか、自分に置き換えやすく、すぐに行動できることが多々ある。
表紙の優しげなお顔とは別の一本芯の通った骨のあるプロ根性が文章の端々から醸し出されている。
ノウハウ本でありながら、一人の生きざまが見えてくる良い本だと思う。
実際この本に書かれているいくつかを実行することで「いつの間にか相手の心を」こちらに向ける事が出来ます。(実験済み)
ハウツー本には珍しい、心のこもった本でした
★★★★★
読んで良かった!
手にした時は、ハウツー本にありがちな自慢ばなし満載の本で、「はいはい、ご立派ですね」と言いたくなる類かもと思ったけど、まったく逆でした。
エピソードの半分以上は、著者の失敗と反省。50歳半ばの著者が、今まで苦労したり、悩んだり、迷ったりしながら、小手先ではなく、自分で獲得した聞く極意です。相手から心を開いてもらえる人間になるための心の持ち方と考え方といえばいいのかな。
だから、「できるビジネスマンになる方法とは」でもあり、「きちんとした仕事をするための心構えとは」でもあり、読む人、読む時によって、いろいろな意味を見つけられる本だと思います。
そういう意味では、小さな出版社を中堅出版社に育てたのちに独立し、「ビジネス書のヒットメーカー」という冠を戴くようになるまでの著者の自叙伝、あるいはエッセイでもあるといえます。
「すごい!聞く技術」を育てることで、まわりの人を蹴落として成果をあげる仕事じゃなくて、まわりの人と一緒にいい仕事をしていくことが可能なんだと教えてくれます。惜しみなく自分の経験談を詰め込んだ良書です。
編集者哲学から編み出された格好の“聞き方”指南
★★★★★
どのようにしたら“聞き上手”になれて、それがよい人間関係につながるかを説いた本だが、著者は“わかりやすいビジネス書”をつくる技術では業界屈指の編集者というだけあって、そのノウハウがじつにわかりやすく丁寧に書かれている。
そこに書かれた多くのコツやヒントは、著者の編集者としての、あるいは一個の人間としての誠実な人柄と豊富な経験に基づいているので、ひとつひとつの言葉になんともいえない説得力がある。
とりわけ著者の編集者としての姿勢は、本書にもあるように「編集者は、著者にとっては生殺与奪の権を持った権力者に映ることがある。編集者はそのことをよく自覚すべきだ」という言葉によく表れている。
こうした哲学をもつ著者だからこそ、長きにわたる編集者人生でも、著者の能力を最大限に引き出し、ひいては、多くのロングセラーを世に送りつづけることができたのだろう。みずからも“うつ”という病を抱え、それゆえひとの痛みを知る著者の視線は、どこまでも優しい。
健やかなコミュニケーションをとることがますます難しくなっている現代において、一般の読者はもちろん、出版業界の関係者にも広く読んでもらいたい好著である。
「聞く」だけでなく、対人コミュニケーション全般に役立つ本
★★★★★
「聞く」に関するノウハウを紹介した本は多いと思うが、本書はかなり異色、かつ出色の本。
大上段から「こうしろ!」と振りかざすのではなく、全編にわたって「自分はこうして失敗してしまった、だからこうしよう」というスタンスが貫かれている。
そして、控えめな中にもしっかり「軸」があるので、ついつい頷いてしまう。
本書のサブタイトルに「いつの間にか相手の心をつかむ」とあるが、まさに読んでいるうちに「いつの間にか深く納得してしまう」不思議な本だ。
また、文章の構成も、読者が抱きがちな疑問に丁寧に答えつつ進んでいくような、「痒いところに手が届く」もの。
やはり著者が編集者ということもあるのだろうが、本書の構成自体が「聞く力」を体現しているようにも思える。
「性格は変えることはできないが、考え方を変えることはできる」
これは、本書の中の一節だ。対人コミュニケーションが苦手な性格を自負する人こそ、読んでほしい一冊です。
私も「ていうか」を禁止したいと思います(笑)。