インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

写真句行 一茶生きもの句帖 (小学館文庫)

価格: ¥880
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
Amazon.co.jpで確認
キュートな一茶 ★★★★★
 太宰治と小林一茶は、どこか似ている。太宰びいきの私は、そう思って、この本を読み始めた。しかし、その思いは、半ば吹き飛んでしまった。
 私がこの本で気に入ったのは、〈第二章 痩蛙の巻〉という章だ。たとえば、次のような句が紹介されてある。
 梅の花笠にかぶつて鳴く蛙
 蕗の葉を引かぶりつゝ鳴く蛙
 青梅に手をかけて寝る蛙かな
 山吹へ片手で下る蛙かな
 星の歌よむつらつきの蛙かな
 木母寺の花を敷寝の蛙かな
 余計な説明、余計な理屈、そんなものは、吹き飛んでしまう。一茶の句は、キュートだ。
 この章に載っている写真も好きだ。P52のアマガエル。筒の端で彼は、もしくは、彼女は、少しけだるそうだ。右手を筒の縁にかけている。これから外に出ようか、出まいか、考えあぐねているのかもしれない。P64のアマガエル。アジサイの花に半ば埋もれるような、あるいは、しがみつくような格好をしている。花の大きさに比べて、なんと、アマガエルの小さく、たよりないことか。
 各章の頭に、解説が付けられている点もよい。やんちゃで繊細な人、故郷・家族に恵まれなかった人、小さい生き物に感情移入し、同化してしまえる人。〈小さいもの、弱いものの味方〉(P51)。小林一茶という人が、前よりも身近に感じることができた。

心が和みます ★★★★★
なつかしいような日本の風景に溶け込むように一茶の句が載っています.ユーモアのある句とは対照的に,アウトサイダーとして苦労した一茶の解説もされています.藤沢周平の「一茶」(文春文庫)を併せて読むとお勧めです.