他愛ない日常を抱きしめた歌
★★★★★
騙されてはいけない
一見軽い響きのするこの歌は、実は誰にでも詠めるようなものではない
そう(身体的理解を伴って)悟ったのはごく最近のこと。
初めて読んだ時の感想は
「あぁここに、他でもないここに、一人の女性が生きているのだな」という感嘆にもにた実感でした。
祖父が詠むので時々やったりはしていたのですが、やはり彼女は不世出の歌人だと最近本当に実感しています。
確か他のレビューにもありました、その軽さには自負や一種の挑戦的眼差しがあったのかもしれません。
歌集に触れないひとは、歌集に登場する歌の多さに驚くかもしれませんね
肩肘はらず、(歌同士の関連もあるようですが)読みたいように自由に読めば、楽しめるのではないでしょうか。
2回目、3回目…と、折に触れてふと開き読むと、以前は響かなかった歌に心奪われたり、以前は判然としなかった歌が急に腑に落ちてきたりする、不思議で素敵な歌集ですよ◎
斬新
★★★★★
有名な短歌集です。現代的な新しい感覚の短歌集だと思います。実に時代の空気を反映していて、懐かしい気持ちになりました。
「現代短歌」への賛否
★☆☆☆☆
殊(こと)に「女流文学」はつまらないものが多い。
この本も発売当時にハードカバーで購入したが、
捨て本となった。
まさに現代を代表する珠玉の短歌集!
★★★★★
これは、まさしく現代版の短歌集と言える。
どこを読んでも、珠玉の短歌が書かれているので、まずハズレは無い。また短歌の特性上、文字数は少ないのだが、一つ一つを読んでみると、いろいろな題材を取り上げているので、読んでいて飽きない。しかも短歌は1ページに3つずつなので、ついつい次のも読みたくなってしまう仕掛けになっているところが凄い。
また俵さんの短歌の上手いところは、五七五七七になっているが、しかしそれを変幻自在に操っていることにあると思う。だからこれだけ沢山の言葉をうまく使えるのではないだろうか。
これは、まさに現代を代表する珠玉の短歌集といえる。またこの本は俵さんの詩の素晴らしさが如何なく発揮されているので、俵さんの本を読むなら、まずこの本をお薦めしたい。
「カラダ記念日」をどうぞ !
★★★☆☆
本作は一般の人に短歌に対する親近感を与えたという意味で貴重な作品と言える。自分の身近にある些細な出来事が"歌"になるという新鮮な驚きを与えたのである。しかも、破調のようでいて、僅かな例外を除いて五七五の形式を守っている点が好ましく思えた。しかし、歌の内容は残念ながら私が共有できるような感動は無かったので、本棚に放っておいた。
ここからガラッと話が変わるが、筒井康隆氏が「薬菜飯店」という短編集を出している(解説は俵万智女史 !)。その中の一作に「カラダ記念日」という作品がある。題名からして本作のパロディだが、筒井氏らしく唯のパロディではない。短歌好きの極道が、極道生活の悲喜劇を綴るという制約を設け、本歌取りをしているのである。そして、「七二三から七二四」をもじったと思われる歌は、まさに驚天動地である。本作を読まれた方は、是非「カラダ記念日」もどうぞ。