型を知ってこそ、型破り
★★★★★
問題な日本語シリーズの第三弾。
編著は大修館書店の国語辞典「明鏡」の北原保雄氏ら。
本シリーズのスタンスが好ましく思われるのは、
誤用であっても、直ちに却下するのではなく、
なぜこのような用法が出てきたのか考察を加える点である。
そして場合によっては誤用が一般化することで、
正しい用法に昇格していくのである。
そういう柔軟な発想がベストセラーの秘密か。
とはいうものの、言葉を大切にしたいと思うものにとっては、
語源や本来のかたちを知るのは必須であろう。
本来の型を知っているからこそ、
型からはずれた型破りも成り立つのだ。
型がなければ形無しだ、とはよく聞く話だが、もっともなことだ。
誤用と聞いて反発する人は、そのことを少し考えた方がいいし、
会話は相手があるのだから、相手への配慮も欠かせないのではないか。
なお、タイトルの「問題な」は、わざとつけたと聞いている。