第1次世界大戦の頃のお話で、その時の暮らしの様子が描かれています。戦争に行ったまま戻らない夫を待ちながらも、夫の代わりに家を守ろうとするお母さんの強さ、健気さ、勇気。そして家族の深い愛情と強い絆。あたたかいクリスマスの想い出がバーバラ・クーニーのぬくもりのある絵からも語られています。寒い夜、山へもみの木を切りに行く母娘の場面、暖炉のそばでお母さんが縫い物をする場面、絵から雪の冷たさや火の暖かさ、登場人物の会話まで伝わってくるような気がします。素朴だけれど読む人全ての心に深く刻まれる、遠い昔の物語です。