短歌作り初心者への親切な入門書
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全くの初心者が歌を作る場合でも、気軽に作れるような手ほどきをしてくれている。疑問に思うことを問答形式で記述されているので、分かり易い。短歌作り初心者用の入門書である。
歌人であり歌学者である系譜につながる監修者なれば当然のこと、名歌から得られるヒントを作品作りに役立てようとする。どのページを開いても、古今の名歌を実例として、どのように作ればいいか、手ほどきをしてくれている。
俳句と短歌との違い…俳句は言い切らない。省略し余韻を残す。短歌の場合は、作者がどう思ったかまで表現しなければならない。
桐の葉も踏み分けがたくなりにけりかならず人を待つとなけれど 式子内親王
文語・口語はどちらでもよく、旧かな・新かなもどちらでもよい。ただし、一首の中ではどちらかに統一すべきである。
観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ)栗木京子
かざらない言葉遣いの歌としてこんな素直な歌も紹介されている。
こんなにも湯呑み茶碗はあたたかくしどろもどろに吾はおるなり 山崎方代