「余技は発句の外には何もない」
★★★☆☆
岩波書店によると、彼の作品・ノート・手帖・未定稿原稿・日記・短冊などか集めて総計1159句になるらしい。本文庫にはそれらがすべて収録されているとのこと。
句集として最初から纏まった形で出版されたものではなく、芥川の俳句を全部集めている形式だからなのか、例えば
102句 二階より簪落として冴え返る
103句 二階から簪落として冴え返る
とか
519句 風落ちて枯藪隆冬日影
520句 風落ちる枯藪隆冬日影
のように、言葉の上ではほんのわずかだけ違ってる句が並べておかれてたりするもの、芥川のこだわりを感じて非常に興味深い。
巻末に句ごとの出典一覧と初句索引がある。