白血病で25歳の若さでこの世を去った顕信。仏教に帰依したり重病と闘ったりの日々の中で、尾崎放哉全集を二冊つぶすまでに読みこんだ深さが句の奥行きを築いたのだなと感心。昨今の、センスが身上の歌人俳人とは一線を隔すなにかがある。モノクロームの写真との相性も良い。
雑踏でも、開いた頁からすぐに彼の世界に沈静することができる。