仄暗い人間主義
★★★☆☆
機微すぎるほどの機微を追求し、人間の深層心理や葛藤を行間からあぶりだす奇才ハネケ。
その作品群は本編の3編はセブンスコンチネントを始め実に秀作がそろっており、全てが国際的な映画賞を取っている。
ほのぐらい人間主義。人間にしか表出しえない感情をーーー氷河化した感情をーーー作品群は描いている。
観賞後のカタルシスは一切ない。瞑想的な気分になるだけだ。しかし繰り返し思い返しては観てしまう。
これはいかなる作用か?そこに人間の真相が暴き立てられているから興をもよおさせるのか?
しかし、しかしだ。そんなほのぐらい人間主義に喝采をあびせたくないという一抹の青年じみた感情がある。
ハネケ、あんたは正しい、しかし間違ってる。
恐らくBDでは出ないであろう作品たち
★★★★★
「隠された記憶」「ピアニスト」等で有名なミヒャエル・ハネケ監督の初期作品集。
各作品にハネケ監督のインタビューが入っていますが、
他の人も書いているようにかなりべらべらと喋ります。
作風からはとても想像できませんでした(笑)
BOX2とは違いある程度は観やすい作品ばかりなので、
9125円(2009年6月20日現在)という値段はかなりお得だと思います。
廃盤になる前に購入を検討されてみてはいかがでしょうか?
ちなみにお気に入りは「セブンス・コンチネント」です。
おっさん意外とよく喋る
★★★★★
3部作続けて見るとものすごい疲労がたまりますが、ハケネ初期作品がこうしてまとめて見れるなんて何て幸福なのでしょうか。しかしデビューからこの監督本当にずっと自分のスタイルを貫き通しているのですね〜。最新作だと言われても、完成度も含め全く違和感がありません。(3作目だけはちょっとテイストが違いましたけど)また特典映像で監督の解説が聞けるのが(観客を突き放したような映画が多いですから)本当にありがたい。自作に寡黙な人だと思っていたので意外でした。延々何分も続くワンショット映像の意味などは、私なんかは監督の意図を聞いたほうが理解が深まりました。しかし本当に何を見ても後味が悪い。こんなに後味の悪いものを見て幸福なんてちょっと変ですね。
もし1本だけお試しであれば、1番衝撃的で1番後味の悪い“ベニーズ・ビデオ”をお勧めします。
たくさんの人の目にとまればいいな。
★★★★★
疎外、孤独、絶望、暴力…
人間の内面に秘められた感情を、凍りつくほどの冷徹さで鋭く抉るミヒャエル・ハネケの世界。思わず目を背けたくなるほど、今まで出合ったことのない映像体験に、いつしか人は癖になっていく。(ミヒャエル・ハネケ映画祭フライヤーより)
本当に待望のDVD化です。日本では、ほとんどの作品が未公開だったオーストリアの巨匠ミヒャエル・ハネケ。そんな状況下で、先日、ミヒャエル・ハネケ映画祭が、各地で開催され、日本最終上映という形で公開された「セブンスコンチネント」「ベニーズ・ビデオ」「71フラグメンツ」の3作品が、収録されています。
観たくても観れなかった作品たちが、一挙に観られるというのは、本当に嬉しい限りです。
上記の3作品には、三種三様の衝撃が、映し出されています。劇場でご覧になられた方も、足を運べなかった方も、ハネケ作品の狂気に触れてみて下さい。
奇跡のソフト化!
★★★★★
2006年春、渋谷ユーロスペースで特集上映された6作品が奇跡のソフト化!
上映時は連日満席立ち見で追い返されることもしばしば。
私も全タイトル制覇できなかったのでソフト化は本当に嬉しいです。
どの作品も内容に触れるとネタバレになってしまいますので敢えて避けますが、
ハネケ特有の不条理不合理世界が炸裂!
続けて観た日にはうなされること請け合いです。
本当に中毒性のある作家です、恐るべしハネケ!