非常に品質の高い作品です。
話の内容に関しては、他の皆様が触れている通りです。
個人目線でのいい点として、
１／感情の機微の表現が恐ろしいほど精密です。
２／人との争い、という部分が全くといっていいほどないので、少年マンガのような
　　パワーインフレ等のしんどさがないです。
３／読後感が、さわやかで、読んだ時間がもったいない、という風に思うことがまず
　　ありません。
の３点があげられます。

この作品は読者の老若男女を選びませんが、死ぬほど働いて、がんばったのに、うまくいかない方、
もしくは、子育てに追われるキャリアウーマンに、個人的にお勧めしたいものです。

あまりにも人気なのでなぜか避けていたオノさんの作品ですが、
リストランテシリーズをやっと読んでみたらとても良かったです。
（なんで今まで読まなかった…と反省しました）.
大した事件が描かれているわけではない。でも何度も何度も読みたくなる。
魅力的な人物の描写、見事な画面作りと台詞選び、溢れ出るセンスとエスプリ。
でも全然うるさく主張していない。とても居心地がいい漫画でした。
それこそ上等なリストランテにいるみたいだと思いました。
すごくすてきな作品です。

『リストランテ・パラディーゾ』の外伝として始まった当シリーズも、もう３巻目です。
前巻までは現在のリストランテになるまでが描かれてましたが、今巻は『リスパラ』の続編といった感じです。
ニコレッタがたくさん登場して嬉しい♪　相変わらず優しくて可愛いいい子です。やっぱり本作品には彼女がいないとね。
素敵なエピソードが満載です♪　「政治家たち」「父」「リッツォ氏の恋」「ラ・ミア・カゼッタ」「特別な一日」の５編が収録。

「父」は、ニコレッタとオーナーさんのお話。オルガの“娘がいた”告白で表向きにも親子となった二人。
この世には、いろんな家族の形がある。例え血が繋がってなくても家族が増えていくのは嬉しいし幸せな事―。
オーナーさんは優しくて素敵な方。こんな人が父親ならニコレッタも安心ですね。いい親子関係が築けそうです。
お互いを気遣い思いやる二人の会話に心が温かくなりました。
「リッツォ氏の恋」は、タイトル通り。“恋多き男”リッツォ氏(既婚)がある女性に恋をします。
リッツォ氏は、いかにもアモーレの国・イタリアの男といった感じ(笑)　ナンパだけどお茶目で憎めません。
彼と対照的に描かれているのがルチアーノ。『GENTE』のルチアーノは渋いですね。老紳士たちの中で一番好きです。
リッツォ氏とルチアーノ。結婚するなら、やはりルチアーノでしょうね。リッツォ氏にはリッツォ夫人のような動じない女性がお似合いです(笑)
「ラ・ミア・カゼッタ」は、ジジのお話。亡き父の墓参りでジジは一人の少女と出会い、彼女の“カゼッタ(小さな家)”に招待されるのだが…。
おませな少女・マッダレーナが可愛いです。
「特別な一日」は、ルチアーノの孫・フランチェスコの誕生日を皆でお祝いするお話。
フランチは、じいじ達に囲まれて育ったせいか子供なのに達観してますね。
きっとハンサムで素敵な紳士になる事でしょう。大人になったフランチ、是非見てみたいです。
どれも良い話ばかりで読後幸せな気持ちになりました。この巻で終わりなんですか？　寂しいです。
テオとヴァンナのその後も気になるし、ポツポツでいいから描いてほしいです(泣)

相も変わらず今巻も素敵な話が詰まってますね。
サヴィーナとリッツォ氏、そしてルチアーノの三人が繰り広げるほろ苦い大人の恋の話や、ロレンツォ、ジジ等の暖かい話も入っています。
いつにもまして表紙の色同様、落ち着いた話が多かったかな?
穏やかでイタリアの空気が漂ってきます。
又、短いですが書き下ろしも有りです。


この三巻でいったん終わりだそうですが本当に残念な限り。しかし番外編の様な形ではまた見れるかもしれないようです。まだまだ色々な伏線があるのでここで終わるのは非常にもったいない!アニメ化も決定したし、是非続編を期待したいですね。

初版には限定書き下ろししおりが同封されているので是非早めに買うべきです☆全6種類、どれも素敵です