「比較」の視点を与えてくれる良書
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政治や政策、民主主義論等を勉強する人に「比較」の視点を与えてくれる良書です。
内容は三部構成で、第一部の選挙研究、第二部の政策研究、第三部の3つの国の戦後政治史に分けられます。
第一部の選挙研究は、比較政治学の中で「最も科学的な分析が進んでいる(著者)」選挙分析の理論が、制度論や政党制を含めて紹介されています。
第二部では、移民(少数民族)問題、宗教と政治、政治腐敗と政治改革という、民主主義では解決が難しい分野への各国の対応や理論が紹介されています。この第二部は、日本で初めて紹介された事実・理論が多数紹介されており、その分野を研究している方には特に推薦できます。
第三部では、第一部と第二部の理論を踏まえて、イギリス、ドイツ、イタリアの民主主義の歴史が事例研究的に記述されています。
日本政治、各国政治史、投票行動、地域研究等、多くの分野に携わる人にとっても有益な本だと思います。