実は正統派の良質アイドルポップス
★★★★☆
アキバのオタク感と渋谷のオシャレ感を融合させた”アキシブ系アイドル”を提唱する、女の子2人組、バニラビーンズ。街頭での「ガラス張りトラック生活」といい、「ポストPerfume」という誰もが「早っ!」とツッコミを入れたであろう宣伝文句といい(笑)、売り手の戦略性の高さを感じさせるのは確かである。
しかし、肝心の音楽は、何とも真っ当で洗練されたポップスに仕上がっている。Perfumeのエレクトロポップ路線とは正反対の、オーガニックなソフトロックサウンドが印象的だ。(個人的にも大好き!)
一曲目「ニコラ」は、爽やかな中にもクセのあるメロディが頭の中から離れない。二曲目「ノスタルジー」は、初期ユーミンを連想させる、柔らかなバラード。歌詞も素敵だ。この感じ、例えば…エブリ・リトル・シングやスネオヘアーやくるりが、バニラビーンズに曲を提供したとしても何の違和感もないどころか、十分に想像できる感じ…と言えば分かりやすいだろうか。
カワイイ女の子が良質なポップスを歌う…これこそ、アイドルポップスの王道ではないだろうか。そう考えると、話題性とは裏腹に、バニラビーンズの作品は紛れもなく正統派のアイドルポップスなのだと思う。2人の歌は決して上手い!というわけではないけれど、それもまた正統派、という感じがしてしまう。(すいません!)
ともあれ、ポップス好きな人に幅広く聴いてもらいたい良曲なので、オススメです。今後の作品にも注目していて損はないでしょう!