通勤読み物
★★★★★
Rising Sun、クラシックです。強かったあのころの日本が思い出されます。
綿密なリサーチをされているのを感じますが、それでもちょっと日本語が間違っていたり日本文化の勘違いも無いとは言えません、しかし許せる程度です。平易な英語なので非常に読みやすいですよ。
流石、クライトン
★★★★★
Tom Clancyの“Debt of Honor”(邦題『日米開戦』)で荒唐無稽な日本と日本人の扱いに少しだけ疲れたので、ある意味作風がその対極にあるクライトンの目には日本がどう映るのかという興味で購入しました。
兎角外国人作家の日本と日本人の取り上げ方には閉口することが多いのですが、本作は巻末の参考文献からも窺える通り豊富で綿密なフィールドリサーチに基づいて作品化されており、西洋人には珍しかろう日本の文化、伝統が実態以上に奇異に描かれることなく正確であることは勿論、経済やサラリーマン社会、果ては同和問題にまで幅広く言及しているのに驚かされます。だからこそ「日本人を嫌いになる理由は幾らでもあるが、本当にそれを理解している人は少ない」との台詞も素直に響きますし、「米国が世界に占める割合は人口4%、経済18%なのに、弁護士は実に50%」といった指摘も相変わらず核心をついていて、参考になります。
後半のディジタル技術を駆使した謎解きも、92年の発表当時は斬新だったことでしょう。こうした努力と工夫が非常に知的でありながら、且つ誰にでも楽しめる一流の娯楽作品に仕上げているのでしょう。大学等で日本の文化を勉強している外国人にも相当程度役立つ筈です。でも表紙だけはやっぱちょっと変?
日米貿易摩擦渦中に起こった殺人事件を暴く!
★★★☆☆
バブル期に米国で頻繁に起こっていた日本の米国企業買収。
とある日本の大企業がアメリカで派手にパーティーを開いていた時、
あるモデルが殺害された。実は彼女は売春婦で、関係を持っていた
男性が何人か挙がったが、一体誰が犯人だったのか。
日本企業は買収を巡る社会的成功のためには手段を選ばない悪者で、
アメリカが利用され、社会的地位を脅かされているように描かれており、
無知だった私は心境複雑で、当惑しました。
一体誰が真実を教えてくれるのでしょうか。
日本の強みとは?
★★★★★
今となってはまるで別世界のことのようであるが、
1990年前後は日本経済の勢いが米国のそれを大きく上回っていた時代だ。
映画会社、大リーグ球団、都市のランドマークなど、
アメリカの象徴ともいえるものが次々と「ジャパンマネー」に買われ、
米国が全て日本に買われてしまうと恐れていた米国人も少なからず居たらしい。
この本が出たのはそんな時。
話の骨格は、日系企業のビルで起きた殺人事件に関する「謎解き」であるが、
「なぜ日本が強いのか?」についての、
極めてリアリスティックに分析が各所に散りばめられている。
サスペンス小説としても十分面白いが、
現実を思い起こさせる薀蓄の数々もまた素晴らしい。
私はこの本をきっかけにして、マイクル・クライトンの大ファンになり、
日本で出版されている彼の本はほとんど読んだ。
ちなみに、最初に読んだのは訳本であるが、
数年後には原書でも読んだが、実に読みやすい。
ペイパーバック初心者にもお勧めだ。
日本についての分析はかなり現実に基づいてはいるが、
多分に「買いかぶりすぎ」の要素も含まれているのだろう。
この本の出版とほぼ同時にして、日本経済が泥沼に陥り、
逆に米国が(特にITの面で)躍進したことは、興味深い事実だ。
この本に限らず、当時の日本の強みに関する分析は、
米国内のいたるところで行われていたのだろう。
「他国の強みを冷静に分析し、すぐに吸収する」能力こそ、
実は米国の知られざる強さの源泉なのではと思う。
90年代のアメリカから見た日本がよくわかる一冊
★★★★☆
今から13年前、日米間の経済摩擦が問題視されている時代の作品。ストーリー展開のみならず、アメリカから見た日本がとても興味深い。バブル経済崩壊直後の1992年に出版されており、『日本人=金持ち』という描写がされている。なお、当時のアメリカ国内での日本バッシングの中、著者はわりと中立の立場でこの作品を書いている。時代ギャップは少なからずあるが、この作品により、他国から見た日本の良い点、悪い点が多少は理解できる。
TOEIC750以上にオススメ。