文学と演劇の訳が違う点は、文学は活字なので、難しい語が出てきた
としても、それは注をつければ済む話ですが、次々と展開されていく
実際の演劇では、注は出せない。つまり、難しい語が出てきても、
パッと見でわかるように配慮されている点です。
「かもめ」の演劇をイメージしながら読んだり、演劇の台本として
お手本にするのにも、とても参考になるでしょう。実際、2003年の
ユーゴ・ザーパド来日講演の際は、本書を基に同時通訳がなされました。
「かもめ」をご覧になる前に、本書を読んでイメージを高めると、
より一層、演劇が楽しいものになります。