工業デザインの歴史解説本
★★★★☆
例えば、食事用のフォークのようなモノが、どのような過程を経て現在のような形状になるにいたったか、を解き明かす体裁をとっている工業デザイン歴史読み物、といってよいでしょう。
ノーマンのデザイン本を読みつけていると、どうも読みづらいなあ、と思って読んでいたのだが、結局、この本は歴史を解き明かす、つまり、これまでのデザインはどうだったか、を実例をたくさんあげて証明(?)しようと試みているのであって、今後どのようにデザインすればよいのか、はあまり本論ではない、というあたりに違和感があるようである。
著者は、評論家であって、エンジニアではないのかも。
もっとも、読み物としては面白いです。缶のフタの歴史など、ここまで細かく書くか?という気もしないでもないですが。
長らく絶版だった名著が復活
★★★★★
タイトル通り、長らく絶版だった名著が復活。以前はハードカバーの単行本だったようだが、今回の復刊ではソフトカバーでサイズも文庫と新書の間くらい
内容は、主に人工物のデザインについての旧来の『形は機能に従う』説の批判と、それに代わる著者の意見の主張・・・なのだが、抽象的な議論は少なく実際の人工物のデザイン変化の歴史を大量に引用して著者の意見の傍証とする、といった感じ。
特にデザインを専門としない人でも楽しく読むことができると思う。自分が毎日のように使っているモノのシンプルで当たり前に思える形が、発明されたときからどのように、なぜ変化してきたのか。考えたこともなかった問題を提示して、見事に解決してくれる。
また、著者のユーモアあふれる文体はこちらを全く飽きさせない。翻訳もなかなか良い(少なくとも、意味不明な部分はない)。
3本でもいいと思うのですが。
★★★★★
形は機能にしたがうという説と、
形は失敗にしたがうという説の紹介がある。
では、フォークが4本になったのは、どちらなのだろう。
話題は、フォークの話題にとどまらず、工業設計『デザイン)全般にわたる。
最後まで読んだが、4本である理由に確信は持てなかった。
まだまだ読み込みが浅いのだろうか。
ぜひ再販を。
★★★★★
「東大教師が新入生にすすめる100冊」にも選ばれている良書なのですがとんでもない値段がついてしまってます。こういう本こそ広く読まれるべき。復刊ドットコムに投票を。