初版が1967年と古く、当時の著者自身の本書の位置づけは『今後いっそう組織化され展開されるべき仕事の「序説」』と記されてある。
そのため、200ページ程度の本書の中で繰り広げられる問題の諸領域は広く、かつその記述は日常的な単語を用いながらも凄まじく密度が高い。そのため、37年経った今読んでも、全く不満を感じる所が無い。
また引用・参照される文献も思想も広範囲で著者の知の営みの裾野の広さをうかがわせる。それでいて全体がしっかりしているのは副題の「生き方の確実な基礎」というテーマをきちんと支えているからだろう。
残念ながら私には全文を理解することは出来なかったが、読み終わったあとで、なんとなくではあるが哲学するとはどういうことなのかが体験できたような気た。
少し期間をあけてから再読に挑みたいと思う