釣りとウイスキーを愛した文豪、開高健を偲ぶ写真集です。最後の数ページに、開高記念館に保存されている遺品と今は亡きサントリーの佐治会長とのショットがあり、胸を打ちます。「オーパ」を撮った高橋さんの手によるものです。開高さんが立っていると何気ないものまで気品が感じられてくるのですが、開高健さんに憧れを抱く方がたくさんおられる理由でしょうか。ところどころ、ローヤルの酒瓶が登場し、ウイスキーの味を思い出します。開高ファンにはお勧めです。

写真家らしく、ほとんど文章はありませんが、写真が語っているので必要ないのでしょう。
他の開高健氏の著作の中で、見覚えのある写真も何点か見受けられます。
まるで今生きているかのように写っています。

普通は被写体のみが写されているはずなのに、写真家の気持ちが伝わってきます。

開高健が亡くなって１５年。
オーパ！シリーズやもっと遠く。もっと広くのシリーズの写真の集大成です。高橋昇さんの文章にも先生への思いがよく表れていると思います。
こんな男になりたいと思う１冊です。