抑え気味のヴォーカルに続き、一転して緊張感あふれるサウンドのオープニングに引きつけられる、アイアン・メイデンの7枚目。メンバーが高速プレイのかけあいで競いあっていた激しさは、少し落ち着きを見せた。よりメロディアスになったサウンドが、バンドの成長ぶりを物語る。
アイアン・メイデン・フリーク驚きの1曲は、コーラスから始まりコーラスで終わる<3>。彼らにしてはポップなサウンドに仕上がっている。中盤のインストゥルメンタルパートは、アイアン・メイデンならではもの。彼ら自身が頂点に達したと認める1枚だ。(富良仁枝実)
絶賛一色の評価には違和感
★★★★☆
2. Infinite Dreamsは超名曲。メイデンらしくミドルテンポからアップテンポへと変わり、途中何度も曲が展開するドラマティックな構成は見事の一言です。他、シンセギターが映えるイントロからキャッチーなコーラスの1. Moonchildや、誰もが認める名曲、4. The Evil That Men Doが収録されています。
しかし、B面(あるいは後半)の曲がどれをとっても弱いのが欠点。曲単位で見れば、前6枚のアルバム(特にSomewhiere In Time)に比肩するクオリティを持っているとは言えません。
コンセプトアルバムという点を積極的に評価しようとして初めて、高得点をつけられるのではないかと思います。
MAIDENサウンドの、ひとつの究極形
★★★★★
世間一般で「ヘヴィメタ」と蔑称されるロックミュージックの音楽的可能性を、とことん追求していく・・・。本作を発表した頃のMAIDENは、そんな強い気概を胸に、創作活動を行っていたのではないだろうか。
前作で展開したプログレッシヴな方向性を、更に前へ押し進めるような作品となったのが、この7th作だ。
北米大陸産に多いプログレハード(RUSH、STYX、KANSAS等)の連中が、ハードロック第一世代(ZEP、PURPLE、MOUNTAIN、GRAND FUNK等)のサウンドをベースに自らの音楽を確立していったのに対し、その次の世代であるNWOBHMを代表するMAIDENは、よりアグレッシヴでヴァイオレントな「ヘヴィーメタル」というフォーマットをベースとして、プログレッシヴロックへのアプローチを試みた。それが、本作および前作であったと、僕は解釈している。
GENESIS、JETHRO TULL、NEKTERといった先達の要素を取り入れ、そこへさらに最新のテクノロジー(シンセサイザー、シンセサイズドギター)を導入し、前人未到の境地を切り開いていく・・・
クリーン&クリア、そして、透明感のある澄んだサウンドプロダクションにより、ダーティー&ノイジーなヘヴィーメタルへのネガティヴなイメージを払拭する・・・
そうしたチャレンジは見事に成功し、ここに素晴らしい作品が完成した。
そしてまた、このアルバムはデビュー以来常に進化し続けてきた彼等にとっての一つの頂点とも言えると思う。スティーヴが目指してきたものの究極形が、ここに完成を見たのだろうという気がするのだ。
さらに加えて言うなら、この時期のMAIDENの試みは、後に登場する多くのアーチスト達に影響を与えたと思う。QUEENSRYCHE、DREAM THEATRE、KING`S X等、多くのプログレメタル勢に、自らの進むべき道を、その方向性を、指し示したに違いない。
大好き
★★★★★
昨日久しぶりにこのアルバムを通して聴いたけど、捨て曲はないし、キャッチャーだし、素晴らしいアルバムだと思いました。
少々ブルースのヴォーカルがアクが強く感じるけども、それでもメイデンには欠かせない要素だし、名盤だと思います!
今の時代にIRON MAIDENがこのアルバムを発表したら97点ぐらいつけたくなります。
当時の評価はそれほど高くなかったけれど、それもわかります。
その時代の空気もあるし、メイデンは毎年のようにクオリティの高いアルバムを出していたから、自分がもしファーストからリアルタイムで聴いてたら、
メイデン変わったな〜、とか、今回のは特にすごいと思わないな、とか思ってたかもしれません。
でも改めて聴くと本当に素晴らしいアルバムだと思います。個人的にメイデンの中で一番好きなアルバムです。
88年の名盤!
★★★★★
本作と同年リリースの大名盤・クイーンズライチの「オペレーション:マインドクライム」と共に、HR/HMファンなら確実に買っておきたいアルバム。
前作のサウンドの延長線上にあるといえるが、本作は前作以上にバラエティ豊かで聴き飽きないアルバムに仕上がっている。全編を貫くコンセプトがありながら各楽曲にしっかりとフックがあり、ライヴで大合唱になる曲も多い。ベスト・アルバムに本作の楽曲がおおく収録されていることから、メンバー自身も納得の出来なのかもしれない。
非常に聴き応えのある作品だが、特に「THE EVIL THAT MAN DO」は出色の傑作。ミドル・テンポのイントロから一気に加速するスティーヴのベース……これぞメイデン・サウンド。名盤。
これこそ最高傑作
★★★★★
メイデンビギナーこそ、ここから入るべし!と思います。表現力豊かなブルースは実にいろんな声、唱法で全10曲に息吹を吹き込んでいます。当時物議かもしたとか言う、シンセサイズドギターが、最初のムーンチャイルドのイントロで素晴らしすぎる仕事してます。
3年前の「ア マター ライフ〜」のライブ「全曲披露」は正直「数曲疲労」を感じましたが、このアルバムなら全部演ってもOKでしょう!捨て曲一切なし。5曲目に定番の長い曲「セブンス〜」を入れたのは正解ですね。少々だれても(でもこれもブルースの表現力で前半〜中盤までは超名曲になっている)次で持ち直します。個人的にはやや影の薄い「透視能力者」が好きです。最初のベースリフがかっこよく、サビは大合唱間違いなし!最近のフライト666で久々のライブバージョン聴けて狂喜しました!