管弦楽版の「大阪俗謡」を探していて、これしか見当たらなかったため購入。
前々から不評であることは知っていたが、やむを得ず、といった感じである。

とにかく目的だった「大阪俗謡」の演奏がひどい。
所々、弦楽器ならではの雰囲気が垣間見ることが出来るものの、聞けたものではない。練習段階を録音したような印象を受けた。
指揮者の経験・力量の不足か、大阪フィルの不調か。
いずれにせよ、筆者のような資料目的でないなら、購入を見送るべきであろう。

吹奏楽ではコンクールで「金」が
取れやすいと言われた「神話」。
オーケストラで演奏するとまた違った感じ。
特に最後は、圧巻。
ホルンの和音がすばらしい。

2000年8月、大阪フィルハーモニー交響楽団による演奏ですが、木管楽器群の音色の薄さと金管の荒っぽさが気になりました。
お囃子のところで何故音程の合ってないピッコロを2本重ねたのかも謎ですし。
吹奏楽の世界では編曲版がよくコンクールなどで取り上げられており、曲自体は良く知っているのですが、この音色の薄さだったら当時の高校生達の方が音色の豊かさは数段上ですね。
ただ、憧れの曲だったので原曲はどういうものだったのかを知るにはよいCDかと思います。

大阪俗謡に限って言うと、あまりに平面的過ぎる演奏だと思います。始めの隠遁とした雰囲気のまま後半に突入しているため、聞いていてかなりだれてしまいます。このCDよりも朝比奈隆さんの指揮で大阪市音楽団の吹奏楽による演奏をお勧めします。

大栗裕は吹奏楽を経験した人にとっては大人気作曲家であろう。しかし、一般のクラシック・リスナーにとってはあまり馴染みのないだろう。これはそんな大栗作品の入門盤としては企画自体は良い。

しかし、問題は肝心の演奏である。特に、代表作の大阪俗謡による幻想曲の出来が悪い。せっかくオーケストラで演奏しているのに弦楽器の響きが薄く、魅力に乏しい。また金管楽器の音も硬すぎ、聴いていて疲れる。特に曲の後半は金管と打楽器が騒ぎすぎ、弦による主旋律が潰れている。

指揮者の解釈にも疑問を感じる。曲の雰囲気を全く伝えていない。大阪俗謡が聴きたいだけならば、一般クラシック・ファンにも丸谷明夫の指揮による淀川工業高校吹奏楽部か朝比奈隆の指揮による大阪市音楽団の演奏をすすめる。その他の演奏の出来はまあまあである。