お馴染みエティエンヌ・ダオとの息の合った大人のフレンチ、遊び心と現代性あふれるオケも印象的なブライアン・フェリーとの、デカダンが薫り立つような「イン・エヴリ・ドリーム・ホーム・ア・ハートエイク」、日本からはこの人をおいて他に存在しないであろう井上陽水がジェーンの哀愁を曲と声で効果的に演出する「カナリー・カナリー」など、下手な恋愛映画や小説よりもはるかに“呼吸”を学べるアルバムである。(石角友香)