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レキシカル・グラマーへの招待―新しい教育英文法の可能性 (開拓社言語・文化選書)

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 開拓社
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認知言語学と学校英語の突き合わせ ★★★★★
 認知言語学の理論的成果を学校文法・学校英語を突き合わせ、よりよい英語理論を目指したもの。
 実際に使われている英語教育の用語・概念と、認知言語学の理論的成果を突き合わせ、一つ一つより本質的なネイティブの直観に近く、理解・習得しやすい英語教育体系構築を目指す。
 これまでやや難解とされてきた現象を明快に解明していく様はスリリングであり、目からウロコばかりだ。むろん、まだまだすり合わせて精錬されたほうがよい点もあるが、今後英語教育に携わるものは必読といってよいものといえる。
英文法の学習書としても優れた一冊 ★★★★★
田中茂範先生が講師を務めた2006年のNHKテレビ英会話と英文法口座には、当時その革新的なアプローチに深く感銘を受け、今もテキストは手元においているが、本書は英文法の観点からそれを体系的に書き下ろした内容になっている。

「レキシカル・グラマーへの招待」というタイトルの通り本書は純粋な英語学習本ではなく、英語の教育者と学習者の双方に対して、レキシカル・グラマーの旧来の学校英文法の優位性を説明する体裁を取っているため、田中先生の他の文法書に比べて学術的な内容が含まれており読みづらい部分もあるが、自分自身は単純に英文法の学習書として利用し、非常に有益であった。

レキシカル・グラマーという言い方は聞き慣れないが、そのアプローチ方法は、have、be動詞、get、makeといった動詞、toやwithなどの前置詞、そしてwill, can, shouldなどの助動詞といった、何れも英語においては基本的な語彙の本来的な意味(本書ではこれをコアと呼ぶ)を理解することにより、これらの単語を使用する「現在完了」「使役」「進行形」といった英文法の本質を理解することができ、そしてそれを使いこなすことができるというものだ。

このように書いてもなかなかイメージがわかず難しい印象を与えてしまうかも知れないが、実際は非常に感覚的かつ納得しながら英文法を学ぶことができるすぐれたアプローチだと思うので、英文法に興味がある方には強くお勧めします。ただ前述の通り本書は少し内容が固いので、英語初心者の方は田中先生の他の文法書の方がいいかも知れません。特に冒頭の総論編は英語教育者向けの難しい内容なので、通常の学習者はそこはとばして17頁以降の事例編から入る方がいいと思います。

自分は朝の通勤時間を利用して2回読み返しましたが、意外な難点は英文法学習書としてはとっつきやすいので1回読んで理解したつもりになっていても、2回目を読んでみるとコアイメージなど結構忘れているという点でした。自分の年のせいかも知れませんが、本書は何度も読み返してきちんと自分のものとしたいと思っています。

新しい文法観の幕開け ★★★★★
これまで、文法知識、構文などは何はともあれ音読、筆写を繰り返し
して憶えることが当然のこととされてきた。なぜある構文がそういう
意味・機能を持つのか、それは問われない。とにかく英語はそういうもの
だから憶えるしかない。そして、英語学習者は力づくで重要事項を覚え
根気のあるものが脱落せずに英語と付き合ってきた。しかし、
レキシカル・グラマーの登場でそのような英語との不幸な付き合いも
変わるかもしれない。

佐藤、田中、両氏の説明は簡潔でかつ説得力がある。局所的にではなく、
英文法を体系的にレキシカル・グラマーで編みなおした力量には
感服させられる。また、事例の前に書いてある総論編もすばらしい。
なぜレキシカル・グラマーの視点で彼らが英語を研究しているのか。
実践を支える理念は、過去の英文法観を振り返り、未来をも射程に
入れた懐の深いものだ。ただ、有用だから、という浅はかな理由では
ない。英文法に悪戦苦闘している英語学習者の手に届くことを
願わずにはいられない。




良書。レキシカルグラマーの今後の展開に期待。 ★★★★☆
本書の内容は「月刊英語教育」に連載された内容をベースに全面新規に書き下ろされたもので,「レキシカルグラマー」というものがどのようなものであるのかを知る入門書としては非常によい(初心者の私でも読みやすかった)と思う。この「単語自身が文法情報を含んでいる」「単語の持つコアを理解する」という考え方は,非常に(英語教師にとっては授業のネタとしても)有益である。難を言えば,(この手の本にはよくあることだが),やはりこうした理論がうまく適用できる用例だけをあげて,うまくあてはまらない例は無視されているということ。もちろん,言語には例外はつきもので,1つのルールですべてが説明できるわけではない(もちろんそのことは著者の方々もおわかりのはずだとは思う)が,本書を読むとあたかも「単語のコアを理解できれば,これまで例外(あるいは関連性がない)と思われていた語義や現象がすっきり理解できます」と言わんばかりの勢いである。とは言うものの,良書には間違いない。今後,この分野での研究がさらに進んでますます英文法が一般人にとって理解しやすいものになることを期待します。