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世界がドルを棄てた日

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 光文社
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ユダヤ陰謀論か正鵠を射た物か。いずれにせよ日本人は自立しよう。 ★★★☆☆
 ドル崩壊による従来の世界秩序の変革において日本人の覚醒を促すトンデモ本。だが、それで世界が説明できるなら仮説の1つとして認めても良いと思う。

 本書の中核は、ユダヤを中心とする資本家と、国民国家を基本とする米英軍産複合体+イスラエル国との覇権争いにより19〜20世紀の歴史を説明し、アメリカがドル崩壊に向かう原因を明らかにする。

 このスペイン系ユダヤ人資本家は、国家に何の未練もない。中産階級が多くなる時期が投資による配当が最大になるから、次々と豊かになる国が出てきた方が都合が良い。これに対抗しているのが英+米軍産複合体+イスラエル国である。資本家ユダヤ人とイスラエルは異なる点に注意。

 ユダヤ資本家は次はチャイナを覇権国として利益を得ることを狙っているという。日本は政治的・軍事的に大国化せねばチャイナに飲み込まれる。

 しかしチャイナでさえ今すぐドル崩壊による覇権国になりたくない。世界一の米国債保有国だからである。

 右派は軍需利権や外交の放棄により、左派は日本国憲法護持で対米従属を望む日本は最も絶望的だ。日本人の覚悟が問われる。
ドル崩壊を間近に控えて ★★★★★
ロシア政治経済ジャーナルの北野幸伯さんよりさらに踏み込み、
独自の推論で世界の覇権構造と世界経済の行方を読み解いていきます。
敢えて矛盾だらけの証拠を残した911の過剰演出、イラクアフガン戦争、
確かに「米は自滅を欲している」と考えた方が、筋が通る事が多いです。

特に実際にこの世界を動かしている国際金融資本家の思惑をベースに、
覇権の推移と近現代史を一気に解説していく様は圧巻の一言です。

なぜ日本人は世界情勢を理解できないのか?この本を読めばよくわかります。
世界史の教科書を千回読み返したところで世界の歴史はわかりませんが、
この本を読めば、今この世界で何が起こり、そしてこれから何が起ころうと
しているのか、よくわかると思います。

トンデモ陰謀論か、はたまた正鵠を射た予言の書なのか ★★★★★
著者によると、世界で起きている様々な事象は「軍産英イスラエル複合体の利益追求」とか「ニューヨーク資本家の暗躍」とか「資本主義を信奉するユダヤネットワークによるナショナリズムへの挑戦」が根本にあり、それに沿って世界は動かされていることになっている。

これを

「陰謀論」

と一蹴するのはたやすい。

正直牽強付会なところもあるし、自説に有利な部分のみ強調しているという点も否めない。それでも、事前に予測した人が少なかった「米国発の世界不況が始まる」「米国不動産価格は下落する」といったものが見事に当たったことは事実。

著者の主張する

「ニューヨーク資本家が自らの利益を極大化するために、世界の多極化をサポートし、推進している」

というのは、資本家たちのインセンティブを考えれば、筋が通っている。

ただ、それだけで世界が動いているというのはさすがにナイーブな気がしている。世界は複雑系で、一握りの人たちの思惑で動くようなものではない。重要なキーパーソンが大きな役割を果たすことがあるかもしれないけれど、いつも思い通りの結果を得られるわけでもない。

結果的に、大まかな方向性はこの「ニューヨーク資本家」の志向に沿っていくだろう。ただし、それは陰謀論とかではなく、

「個々(この場合は各国政府や多国籍企業など)が利己的に行動するがゆえに結果的に公共の福祉が向上する」
=多極化する方が有利と判断する勢力の方が大勢を占める

という、まさに「神の見えざる手」によるのでは、と思うのだけど。

それでも、この本は世界を動かすキーパーソンたちに「多極化を目指す意思」があることを確認させてくれる。
メルマガやラジオデイズのまとめとして最適 ★★★★★
メルマガを1年前から、ラジオデイズを最近購読しているのですが、歴史的なことも書かれていて理解を深めることができた。超論理的で見習いたいところがたくさんある。内容に関してはブログに書きましたのでよろしければ。

http://d.hatena.ne.jp/nekozo92/20090302/1235978871
ブログから生まれた本やサカイ ★★★☆☆
膨大な情報を日々連射し続ける一人大量報道兵器とでも言うべき田中氏。
あまりに膨大な情報に、ただただ驚くばかりではあるが、この本のように
「覇権の歴史」、「金融崩壊」、「アジア共通通貨」等のようにテーマを絞って論じると、
世界のブログからのデータが主体であるだけに、やや視点が定まらない感が強い。

田中氏の強味は、情報の圧倒的な速度と量であり、世界観だとか価値観等があまり
はいりこまないほうがよいように感じる。
読者が玉石混交の田中氏の情報から、主体的に「玉」を探し出すことにこそ、
意義があるのではないだろうか。

「米国の上層部の中には、金融危機を悪化させ、米国の覇権を崩壊させようとしている
 人々がいるように感じる」という意見には、米国の民族・文化・政治的見解等の多様性を
どれだけ考慮しても、私には賛成しがたい。