「頭痛・肩凝り樋口一葉」とは、これまた奇想天外な組合せだ。井上ひさしの一葉像は「色黒、ど近眼、猫背、小柄」だそうだ。これでは確かに頭痛・肩凝りもやむを得まい。そして以前友人が頭が割れるような痛みに耐えかねて診察を受けかつ脳CTを撮るも原因不明、結局度の合わない眼鏡が原因だったことを思い出した。
さらに井上ひさしは、一葉の文体から見て「一葉は夭折した不幸な女流作家」という常識に疑義を抱く。興味津々、漫画のように面白い。
本書は井上ひさし、こまつ座「編書」とあるが、「編書」の文字が小さく気づかなかった。本書には、井上ひさしの新説のみならず、一葉研究の第一人者、前田愛氏などのお歴々の寄稿があるのもうれしい。