インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

タペストリーホワイト (文春文庫)

価格: ¥520
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
Amazon.co.jpで確認
ココロにちょっと哀しく届く物語 ★★★★★
大崎さんにしては少し寂しい内容。
もちろん表現はいつもどおりにとても綺麗だし、◎。
ストーリー展開がちょっと切ないかな。

しっかり休日の午後に1日で読みたい小説でした。
うまくいってるカップル、夫婦の人に是非。
幻を信じたことの懺悔か ★★★★☆
 まるで懺悔のような小説だった。誰が誰に?そう考えると、文章上の意味からは、むしろ全共闘に取り残された世代の恨み節というか、全共闘世代の転向派への告発である。それなのに、べたべたしたセンチメンタリズムと懐古的な共感が全編を押し包んでいる。だがこの甘酸っぱいトーンが憎めない。
 一度は信じた世代、圧倒的に輝いていた先達の偶像が、腐り果てていく様を見終えた、決別の涙であろうか。ベルリンの壁が崩壊し、共産主義が実質的に資本主義に飲み込まれてしまった現在、若者皆が信じたあの光は何だったのかと、私も思わずにいられない。ビアフラやローデシアは終わっても、世界はルワンダもボスニアもアフガンも止められなかった。
 レッド・ツェッペリンの曲を題材に美しい短編「悲しくて翼もなくて」を書いた作者は、今回キャロル・キングを題材に本長編を仕上げた。私は意識的にキャロル・キングを聴いたことがなかったので、この本を読み終わって、早速買おうと思っている。大崎はロック曲と人の情念を結びつけて書くのがものすごく上手い。
中途半端に濃密か? ★★★☆☆
「パイロット・フィッシュ」にノックアウトされたので、大変、期待して読みました。
感想は……今ひとつです。「パイロット・フィッシュ」に感じられた文体の透明感や、語られきらない物語の切なさが感じられませんでした。学生運動関連の話も、中途半端に濃密で、例えば、小池真理子さんのような迫力が感じられません……。大崎さんの文体と求めた世界の生臭い濃密さが齟齬をきたしているような感じでしょうか。
乾いた青春 ★★★★☆
思わずキャロルキングの「WILL YOU LOVE ME TOMORROW」
を埋もれたCDから捜して聴いてしまいました、、素晴らしい曲です

個人的にはすごく好きな作家です
いつも 疲れているような、やるせないような、焦燥感が漂います
でも それが上手く若い頃の自分にあてはまります
年代的に同じなので常に出てくるミュージシャンも好みだったり・・

この作品も今の学生よりは50年代後半に生まれた方が読んだ方がリアル感があると思います
「消える魔球」をリアルタイムで見たおじさん(私もですが)!
一読あれ! 


悪くはないんだけど… ★★★☆☆
以前に読んだ『九月の四分の一』が本当に良く、
「この人の本をもっと読んでみたい」と思っていたところ、
近所の書店で発見したので買ってみた。

で、読了後。

…うーん。

前作を読んで、期待値が高かったせいかもしれないけれど、
…うーん。という印象。

物語としては十分に読む価値あり、だと思う。
哀しい話だったけれど、著者の主張は明確に伝わってくるし、
系統としても、こういう「暗い青春モノ」は
それこそ私の好きなところだし。

ただ、前作を読んだときには感じなかったのに、
本作は読んでいてどうも

       日本語表現の拙さ

が、目に付いてしまった。
というか、読んでいて気になってしょうがなかった。

この人の文体は、どちらかというと平明な中に美しさのある、
嫌いではない文体なのだけれど、
文体の問題ではなくて
文章構成が変・語彙の用法がおかしい個所が、
やたらとあちこちに見られた。

敢えて一例を挙げるとすれば

   終焉のさせ方さえ知り得ない。

という個所。
「終焉のさせ方」…ねぇ。
うーん。

また、物語は4章構成になっており、
各章が『オール讀物』に4回に分けて
掲載されたもののようなのだけれど、
単行本で読むとき、
2章以降の冒頭で前章の流れを
くだくだしく振り返っているのが
非常に冗長に感じられた。
単行本として出版するにあたって、
ちゃんと手を入れなかったのだろうか…?
ここも、個人的には大きな減点項目。

物語の筋についても
クエスチョンマークのつく部分があった。
特に物語の最後、主人公がジャーナリストに
ある写真を見せられるシーンがあるのだけれど、
この場面を読んで

  おいおいおいおい、それ、話の整合性の面から見て、
  どう考えてもおかしいだろう!

と激しいツッコみを入れたくなる点が2つあった。
最後の最後でそうやってズッコけてしまったので、
いきおい読後感も「ビミョー」なものとならざるを得なかった、という感じ。

と、こう文句のようなことばかり書いてしまったけれど、
物語自体は嫌いじゃないです。
途中何度も泣かされたし、心を動かすものがあったのは事実。

まだこの人の本は2冊しか読んでいないので、
今後他の作品も読んでみたい、とは思います。