オリジナルのアナログ盤を所有していないのであくまでも個人的な推測ですが、いわゆるA面はスタジオ録音でB面はライブ録音の構成。スタジオ録音では、彼が師匠と崇めるジミヘンもカバーした「All Along the Watchtower」(オリジナルはボブ・ディランですね。邦題は「見張り塔からずっと」)やなんとレノン・マッカートニーの「ノルウェーの森」などをカバー。ここでは、優れたボーカリストとしての一面を見せてくれます。しかし、おとなしくて少し物足りない印象も否めません。ギターリストとしてのFrank Marinoのファンにとってはなおさらでしょう。しかし、何でビートルズのカバーなんでしょう。もしかしたら、ジミヘンがサージェントペパーズをカバーした影響かもしれません。
で、今後はいわゆるB面のライブ録音に移ると、ハイテクギターリストとしての彼の魅力が炸裂します。とくに6曲目の「Door of Illusion」は何度聴いても素敵すぎます。いわゆるジミヘンコードに乗せて弾きに弾きまくるハイテクギターリストぶりは、いま改めて聴き直しても時代を感じさせません。
というわけで、A面で「おやっ?」という違和感を感じた方も、最後まで聴いていただければ「やっぱり、この人ギターお化けだよね」と納得していただけるはずです。